現在の白光真宏会という名称は、発会式の行われた昭和三十一年六月十七日当時は、つぎのような名称だった。「宏」が「行」だったわけであるが、以下の結成の言葉の中でも、その名にふさわしい精神がうかがえる。

今の社会では地域共同体がくずれ、職場の人間関係も希薄でドライとなり、趣味やボランティアの同好会くらいしか共に協力して行うという機会はなくなっている。そして、コミュニティの大切さが再認識されてもいる。

しかし、人生の中でいちばん本質的な事柄である霊性の開発、真理を究め魂を磨くということ、そして世界平和を祈り創造してゆくということを、和やかな雰囲気の中で共に助けあいながら楽しんで行うために集ったグループに身をおくことのできる機会となると、なおさら希少ではないか。

宗教団体というと、とかく指導者がいて、それに従う信者がいて、それが縦糸でつながっているだけで、研究や精進のための横のつながりになると、あまり持ちにくいと思われる。以下に「機関誌「白光」の一層の発展について相談したり、教義の研究をしたり、親しく体験談などを語りあい励ましあい」とあるが、こうしたことは貴重なことであり、当時の会の小規模ならではの親密さとともに、やはり指導者である五井先生の庶民的で愛にあふれたお人柄とご方針とが自然に反映していたとも考えられる温かで柔和な空気が伝わってきて、微笑ましくなる。


白光眞行会結成の言葉


私達の恩師五井先生の教義は、今日まで先生の徳を慕い、自然に集まって来られた人達のみが信仰している教えとしては、余りにも偉大な世界的な宗教です。

先生の教えは、個人霊性を高め安心立命の悟りへ導く最高の教えです。又進んで、日本の平和を、世界人類の平和を希う祈りにより、神人一体の力を発揮する世界平和の運動は、民族宗教を超えた偉大なる愛の運動です。

よい教えは自然に広まります。一人から一人の口伝えで、急速に信者は増加し、今日では本部道場も既に手狭のような状態にまで発展しつつあることは何よりの喜びと存じます。

今日の時代は、人間の肉体の小さな智恵や力だけでは到底、自分一人さえも救えない、人類史上最悪の時代です。この時に当り、私達信者は、かつて私達が、先生の偉大なる神力によって、悪業の渦巻く実生活の中から救はれましたように、一日も早く、一人でも多くの人達が救はれますように希望してやみません。そうした希望を持つ信者が集り、茲に白光真宏会を結成して、先生の教義の普及をはかり、そのためには、機関誌「白光」の一層の発展について相談したり、教義の研究をしたり、親しく体験談などを語りあい励ましあい、そして世界人類平和の偉大なる祈りの中に、お互いの人格霊性の向上をはかりつつ信者同志の力を結集して、私達教団の一層の強化発展に努力したいと存じます。

先生の優しく温かい愛の御指導の下に、かつて私達信者の救はれた喜びを、救う喜びにまで発展させてゆきたいと思います。信者の皆様の積極的なる御協力と御支援を切にお願い致します。


昭和三十一年六月十七日 

白光真行会結成準備委員

斉藤 高広

佐久間徳祐

中川正二

伊藤 顕

村田正雄


昭和三十一年 七月号 P.34より 抜粋