【しゃかりきライフ 2021/10/1】
シャーーーー
真夜中、僕はため息まじりにシャワーを浴びていた。
この20年ほど、人生を良くしようと全力で歩んできた。
隙があれば学び、自分を磨き続けてきたことだけは自負の念がある。
何度も挫折したけど、何度も立ち上がった。
生まれつきの難病で、視野は5%ほどしかない。
だけど砂漠を1週間で250km駆け抜ける過酷マラソンも、3度完走した。
ふと降りてきた「手作り絵本1万冊販売」という挑戦も、4ヶ月で達成。
他にもいろいろ挑戦し、成し遂げてきた。
だけど・・・
何か生きづらいのだ。
もちろん叶っていることも、得ているものも、山ほどある。
だけど何かのループから抜け出せない感覚が時折強くなり、気分が落ちるのだ。
こんなに努力しているのに・・・。
ついに先日、内側から
「もう限界!もうこれ以上頑張れない!」
と、叫び声のようなものが内側でこだました。
あれから数日・・・
シャワーのお湯を茫然と頭で受けながら、またため息をついた。
「もうこの際、神様に頼も!今まで信じてこなかったけど、誰でもええから神様現れて!あ、そうや!釈迦がいい!釈迦出てきて!!俺を助けて!!」
心の中で投げやりに叫んだ。
当然、何も起こるはずもない
・・・はずだった。
『はーい。来ましたよー』
それは内側から聞こえた。
自分の心の声なのか、よくわからない感じ。
「え?え?えーっと、シャカ?」
『そう。シャカ』
会話はできる。
ベージュの作務衣みたいな服と、頭に布みたいなのを巻いた男性のイメージも飛び込んできた。
「・・・え?ほんまに!?ほんまにシャカなん!?」
『まあシャカでもなんでもいい。なんならシャケでもう○こでもなんでもいい』
「いや、ダメでしょ!
・・・ってか本当にシャカなの??」
『だからなんでもいいと言うておろう。お前がシャカだと思えばシャカなのだ。シャカじゃないと思えばシャカじゃない。ただそれだけのことだ』
「んんんーーーじゃあシャカ(仮)ってことで」
こうしてシャカ(仮)と幸四郎の内なる対話が始まったのです。
つづく