現在、サプリによる健康被害問題で連日メディアで取り上げられている小林製薬さん。
流れてきた情報の中に会社の戦略のことが紹介されていて、問題の件とは別に強い興味を持った。
それは
「小さな池の大きな魚」戦略
という言葉であった。
同社のHPにはこう記されている。
既存の大きな市場(池)に参入するのでは競争が激しく、シェアを広げられず、利益確保ができません。
そのため、まだ誰も見つけていない新市場(池)を見つけ出し、その市場にファーストインして高シェアを獲得し、利益を確保します。
その後、市場を牽引しながら拡大していきます。
※以下参照
独自のビジネスモデル | 企業情報 | 小林製薬株式会社 (kobayashi.co.jp)
なるほど、市場を海に例え、売上や受注を魚に例えると分かりやすい。
そしてこの戦略を具体化するための言葉が同社のブランドスローガン「あったらいいなをカタチにする」。
曰く、
新しい市場の開拓はお客様も気づいていない潜在的なニーズ(あったらいいな)を発見することから始まります。そこから作り出したアイデアをスピード開発し、タイムリーにお客様にお届けすることができます。
東日本大震災以前、公共工事の発注量はとても少なく受注競争はとてつもなく激しかった。
小さな工事でも発注されると2~30社が応札し、数百円単位の価格競争が毎度であった。
この競争の状況に、私はまさに池に餌を撒くともみくちゃ状態で奪おうとし合う鯉の姿が頭に浮かんだのを思い出す。
いわば小さな池で小さな魚を奪い合っていた。
当社はその争いになるべく巻き込まれないよう、当社独自の技術を磨き、他社が出来ないような特化を目指し、社内でも周知してきた自負はある。
当時、特許を取って間もなかった自社開発の「トンネル漏水対策・点導水工法」は大きな武器だった。誰も出来ない技術なので、価格競争にはならなかった。何度か強行な値切りを求められたこともあったが、基本一切応じなかった。
現在また当時のように競争が激しくなりつつあるが、当社としても小さな池の大きな魚を目指す気持ちを持っていきたい。