正常性バイアス | 寿建設 社長ブログ

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何度か書いているが、人間の心の働きの一つに「正常性バイアス」というものがある。自分にとって都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫だろう」と危険を過小評価したりしてしまうという特性のことだ。

安倍元総理大臣が銃撃され死去するという衝撃的な事件は、歴代最長の首相在職日数を記録した重要な政治家がたやすく背後から2発も撃たれることを許してしまった無防備に近い警備体制が大きく問題視され、警察庁長官や奈良県警本部長が辞職する事態となったが、この「正常性バイアス」がかかっていたといえるのではなかろうか。

言葉でいうのは簡単であるが、「正常性バイアス」への向き合い方は本当に難しいと思う。

 

北朝鮮が中距離弾道ミサイル発射し、5年ぶりに日本上空を横切り太平洋に落下した。

新聞始め各メディアでトップニュースとして取り上げているが、それでも根底には「日本には落ちないだろう」という意識が国全体にあるように感じる。かくいう私もそうである。

しかしよくよく考えれば、ロシアがウクライナに戦争をしかけた「まさか」が現実に長引いている中、海を挟んで向こうのわずか1000キロ程度離れたところにある考え方が特殊な国が4000キロ以上飛ぶミサイルを日本上空に飛ばしているのである。

「射程距離内」の、非常に危険な状態なのだ。

 

「絶対に安全」と主張して具体的な対策を想定しなかった結果、原発事故が発生してからの対応が後手後手になってしまったのはご承知の通りである。

今回の問題も「もしもミサイルが日本国内に落ちたら」という想定をして、有事に何をすべきかをもう少し具体的に考える必要があるように思える(←この書き方がすでに危機感がない)。

多発し激甚化する自然災害、そしてこうした国際間の危機の中、「正常」という楽観視はいろんなことを見誤る可能性を高めてしまうのではなかろうか。

 

とはいえ、どうしても目先の問題や仕事に追われてしまう毎日なのであるが。

これこそ「平和ボケ」なのかもしれない。