建設業における労働災害死亡者数 | 寿建設 社長ブログ

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今月は安全週間の月で、毎年の恒例で社長である私が全現場に行ってそれぞれで安全大会とパトロールを実施している。

安全大会では、現場の最前線で作業に従事されている方々に当社における安全管理の考え方を話させていただいくのだ。

事故が発生しないよう安全に作業をするというのは個々人がどれだけ意識を持つが重要なので、会社の社長としては直接訴える必要があると考えている。

 

※今年の各現場安全大会で話をしている様子

 

その際、抽象的な話にならないよう、出来るだけ具体的な話をするよう心がけている。

どれほど伝わっているかは別として、自分なりにはあれこれ考えて少しでも関心を持ってもらい気持ちに届くような話をしているつもりだ。

私が社長になった直後の平成20年、21年、当社では現場での事故が多発するという経験をした。

どうにもこうにも止まらない事故の連鎖をなんとか乗り越えた経験で、私が思い至ったのは「会社の財産である従業員の体を守るのは経営者の最大の責任」ということだった。

会社全体の安全管理のあり方については、トップが責任を背負って具体的に展開すべきと考えている。

 

さて今回の話の導入では、「建設業における労働災害死亡者数」の話をさせてもらった。

統計上、もっとも死亡者の数が多かったのが高度経済成長期の真っただ中である昭和36年。

1年間で実に2,652人もの方が建設現場での労働災害で死亡されているのだ。

そしてもっとも数が少なかったのが一昨年、令和2年。

ピークの60年後である。

今回はここで参加している方々に質問をするようにした。

「過去最高の60年後、死亡者数は何人にまで減ったでしょうか?」

 

その数、258人。

つまり、60年の時を経て10分の1まで減ったということになる。

結構驚く方が多かったと思う。

 

交通事故の死亡者数はピークと最少で約5分の1なので、なかなかすごい数字だといえる。

なぜこんなにも減ったのかといえば、第一に使用する機械や工具の安全性が高まったことが原因であろう。

そしてもう一つの理由は法令等がどんどん厳しくなり、現場環境の安全体制が強化されたからだといえるだろう。

多くの災害を機に新たなルールが出来、それに引っ張られて現場の基本的な安全環境は昔とは比べものにならないほどよくなった。

 

そして大幅に減った現場の事故で、残った原因のほとんどが人間に起因する「ヒューマンエラー」なのである。

そうした話から、ヒューマンエラーと現場の事故について具体的な話をさせてもらうのである。

 

現場で直接の作業に従事していただいている方に考えが伝わってほしい気持ちが強く、調子に乗っていくどい話になってしまうのが困りものだが。