毎朝散歩する阿武隈川に、白鳥が一羽でぽつんといるのを見た。
暖かくなり多くが北帰行したのでこのところ姿をあまり見かけなくなっていたが、まだいたようだ。
いつもは群れている白鳥なので、一羽だけでいるとなんだか寂しそうに見える。
何かが原因で飛べなくなってしまい、取り残されてしまったのだろうか。
少しせつない気持ちで眺めていると、背後の上空から白鳥の群れの鳴き声が聴こえてくるのではないか。
「迎えに来たのか?」と思って、その飛翔をしばらく眺めていたのだが、結局そのまま北の方角に向かって飛び去ってしまった。
以下がその動画。
残されたままの白鳥は飛んでいく方角に顔を向けながらも、翼を広げることなく川に浮いたままであった。
同じ河原にキジが来始めていたのは半月ほど前から「ケン!」と響く鳴き声で認識していたが、ついにその姿を目にした。
去年は1度の散歩中に4羽くらい見ることがあったが、縄張りを分けているようで一定程度の距離を離して1羽づつで目にすることになるのだ。
だからキジは1羽でいても毅然とした態度である。
寂しさをまとうことなく堂々と動き回っているのだ。
同じ鳥であるのに、方や一羽になると悲壮感が漂い、方や動じずたくましい、というのが対照的で面白いと思った。
その2羽が同じ視界の中にいるのを眺めながら、人間にもその両タイプがいるなあと思いながら歩き続けた。