年度末はいろいろな変わり目である。
毎朝定時の散歩はいよいよ明るい中を歩けるようになった。真っ暗の中を歩くよりもずっと気分がよい。
阿武隈川にいた白鳥たちもほとんどが北に向けて旅立ってしまった。
「さよなら」と告げるように鳴きながら集団で飛んでいく姿を何度か見たものだ。
入れ替わるようにキジが河原に来たようで、「ケン!」という元気な声を耳にするようになった。まだ姿は目にしていないが。
川沿いの景色も植物たちがようやく目覚め始めた。
緑の葉が芽吹いてきたアジサイ。
ソフトクリームのように花びらが現れてきたモクレン。
コロナ禍で迎えた3度目の春。
素直にワクワクした気持ちになれないものだ。
人間同士が距離を置いて生活や仕事をしなければならなくなって2年になる。
ご飯を食べたりお酒を飲みながら関係を深める機会を作ることがまだ難しい状況が続きそうだ。
これからのコミュニケーションのあり方というものも、根本的に考え直さなければならないのではないかと思いつつ歩く毎朝。