高知県安芸郡奈半利町にある礒部組さんのブログ「土木のしごと-(有)礒部組現場情報」にて、面白い企画がシリーズ化されている。
題して「トシ子さんの疑問に答える」。
書いているのは同社の宮内常務。私がこのブログを始めるきっかけを下さった、いわば師匠である。
同社に事務員として入社されたばかりの「トシ子さん」は建設業界が初めてのようで、業界に関する素朴な疑問を宮内さんに対してあれこれ質問をしてくるのに対し分かりやすく答えていく、という設定(?)になっている。
いわば何も知らない「トシ子さん」の目線を通して建設業の仕事を説明していく、という内容である。
まず「トシ子さん」の問いがとても絶妙である。
われわれ業界にいながら、分かっているようで実はちゃんと分かってないような部分を突いている。
アイコンストラクションってなんですか?
ヘルメットに名前を貼ってますよね。
あれって、なんでひらがななんですか?
あのー・・
ユンボとか
バックホーとか
パワーショベルとか
それってどこがどうちがうんですか?
ヒューム管って
なんでヒューム管って呼ぶんですか?
宮内さんも時々盲点を突かれたような回答をされている(もしくはあえてそんな体にしている)が、そこがまた読みやすくしているように思う。なんでもホイホイ答えない良さ、とでも言おうか。
そして回を重ねて現在その15なのだが、お二人のやりとりがどんどん絶妙になっていくのが楽しい。
言葉のキャッチボールがわざとらしくなく、ひっかかりなく気持ちよく読めるやりとりになっていて、回を重ねるごとに「絶妙」という言葉が似あっていくように感じるのだ。偉そうな言い方だけれど。
それから単に文字のやりとりだけでなく、画面上のバランス(イラストや改行のレイアウト)も味を添えていると思う。
落語でいう「マクラ」まで挿入され、結構な脱線ののちに本題に入ることもある。
と書いて、私は気づいた。
絶妙なやりとりは、「落語」なのだ。最近宮内さんはかなり落語を聴かれているようなので、そのリズムやニュアンスが反映されているのかもしれない。
10年以上に亘って「土木の広報」を実践され、未だ新たなチャレンジをされている宮内さんのあらゆるセンスが詰まった、建設業の基礎知識を学べる魅力的なツールになっていると私は思う。
この内容で本や専用アプリを作ってもいいかもしれない。
ご一読をおススメします!