コオモリの能力 | 寿建設 社長ブログ

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もう10年近く前になるが、とある行政関係の方から古いトンネルの調査を頼まれたことがある。

明治時代に掘られた素掘りのトンネルで、現在は反対側が土砂で埋もれてしまっており、危険性もあって現在は使用していない(立ち入り禁止)。

歴史的に意義があるトンネルなので、なんらかの手を加えて通行できるようにならないものか、というアイデアの検証であった。

 

山の中腹にある入口。

そして中。

最初中に入ろうとした時、奥から100匹(こう数えるそうです)以上と思えるコオモリが群れで一斉に飛び出してきたのを今でも覚えている。

 

奥に入っていろいろ調査をした。

その時撮った写真にもたまたま写っていた飛行するコオモリの正面。

(コオモリの背後に見える掘削箇所は、たぶん方向や角度を間違って掘ってしまい、右にずらしたと推測した。だから途中で掘りやめている)

 

トンネルの中間部くらいに、きれいな円錐形の巨大な堆積物を発見した。

これである。

右にいるのが私なので、かなりの大きさであることが分かる。

後で調べて分かったのが、あ実はこれ、コオモリの糞の塊なのである。

バット・グアノとも呼ばれるらしい。

それにしても見事にきれいな円錐形なので、棲んでいるすべてのコオモリが必ず同じ箇所から糞を排出していると想像する。

 

コオモリの視力は極めて弱く、超音波で位置関係を把握するのだというから、この糞の塊の真上の場所が超音波によって人間でいう「トイレ」と共通認識されていて、必ずここで出すのではないか。

そう考えるととても面白い生態である。

 

その後に発生した東日本大震災でこの計画は頓挫してしまったようだが、今もあの糞塊は存在しているのだろうか。

気になる。