「無理をさせ 無理をするなと 無理を言う」
という有名な川柳がある。
第一生命が主催しているサラリーマン川柳コンクールの過去最高傑作ではともと称される作品だそうだ。
間もなくの4月から施行され、順次対応を求められる「働き方改革」。
一部の内容で中小企業が1年、建設業で5年の猶予期間が設けられているが基本もはやまったなしである。
罰則付きで残業時間に上限を設けたこの改革、当初は冒頭の川柳のような状態になることが予測される。
残業するな、でも仕事の成果は上げろ、ということがあらゆる業界で強いられることになりそうである。
建設業は発注者の計画や方針、天候、一般住民の声、絶対的人材不足など、いろいろな外的要素が仕事に関わってくるので、自社が「こうする!」だけではどうにもならないことも多々ある。
と書きながら、こういう逃げの考えがもはや経営者としてダメなのかもしれないとも思う。
本音を言えば、まだまだいろんな矛盾をはらんだ改革だと思う。
もちろん改革と称するからには、いろんな不利益を被る人がいることは覚悟の政策なのだとも思う。
でもこの改革で一番大事にしなければならないのは、あらゆる業種の現場の第一線で働く人たちではないか。
「無理をさせ 無理をするなと 無理を言う」という状況にしばらくはなりつつも、常に働く人に配慮した取り組みを、行政も企業もしなければならない。
その人たちの気持ちを萎えさせるようであれば、働く人の改革もないもあったものではない。