私より20歳くらい年下の同業経営者とお酒を交えながら食事をする機会があった。
最近話題の仮想通貨だとか、最新のSNSなどに大変詳しい方で、その方面にまったく知識のない私は、彼の話に聞き入ったのだ。
話をしながらスマートフォンでいろんな情報をスイスイと表示しながら詳しく説明してくれて、正直詳しいことはほとんど意味が分からなかったが、知らぬ間に世の中の構造がとてつもなく変わってきたということだけは今さらながら認識を変えた。
スマートフォンにもフェイスブックにも否定的な私は、そういう世界とはほとんど関係ないと思っていたが、会社を運営する人間の1人として、少しは勉強しなければ何か大きな思い違いをするかもしれないと今さら気づいた次第。
そんな彼に本を紹介してもらった。
今までの経済社会とはまったく異なる価値観に変わりつつある構造を説明した本なのだそうで、現在ベストセラーになっている。
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(佐藤航陽/NewsPicks Book)
この本を書いた佐藤航陽さんは、大学在学中に株式会社メタップスを設立し、オンライン決済事業や、時間を取引(!)できる「タイムバンク」等、今までにない価値の仕事を生み出した方なのだそうだ。
「日本を救う起業家ベスト10」、「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出されている、今まさに時代の先端を動いている注目の実業家。
1986年生まれだそうから、まだ30代前半という若さで、なん地元・福島市出身らしい。
「ど」が10個ほどつきそうなほど「素人」である私にも分かりやすいように目線を下げた文章で、例えを入れながら説明してくれるので、とても分かりやすい(この目線が本当にすばらしいと思う)。
ご本人がとことん勉強しいろんなことを考え、それをビジネスとして実際にやってみて実感するという積み重ねの言葉なので、非常に重みと説得力もある。
そもそもお金とは何なのか、そして現代のわれわれの常識と思っている経済と、これから根底から覆っていくというシステムの仕組みを、漠然とだがイメージ出来た気がする。(たぶん気がするだけだろうが)
私がこの本を解説できるほど理解出来てはないはずだが、これまで国にコントロールされてきた「貨幣」や「経済」が、「仮想通貨」のような新しいIT技術によって自由にやりとりする時代がもう来ている。
その時代ではこれまでもっとも重視された「資本」よりも、個々や企業の「価値」に重きが置かれる時代が来る、と佐藤社長はおっしゃっている(はず)。
「価値主義」の時代が到来するというのである。
未だガラケーにしがみつき、「これ以上便利にならなくていい」と思っている私がその時代を生きていけるのか甚だ不安であるが、大きな流れをなんとなくでも実感出来て、とてもありがたい本であった。
果たしてそんな時代で建設業はどうあるべきかが頭にイメージ出来ないが、きちっと考えていかなければならないと自覚した。
これから何度も開くと思う。