新しい年を迎えた。
新年早々の新聞やテレビ番組を見ると、IT関連技術の進化が加速して次の世界に入ろうとしているのがよく分かる。
元旦の日経新聞第二部は「IT 未来 イマ」というタイトルでそれらの技術を特集していた。
AI、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ICT、などなど、いろんな言葉で表される技術が現実の生活や仕事のスタイルをこれからどんどん変えていく。
われわれ建設業にも明らかにそのような流れが起こっている。
どんどん「便利」な社会になろうとしていることはよく分かる。
最新式のトイレに入る。
中に入ると自動で蓋が開く。
用をたす。
ボタンを押すと尻を洗ってくれて、立ち上がると自動で流れる。
まさに字の如く、「便」の「利」である。
しかし、こんなことまで自動でいいのかという疑問もある。
行き過ぎた便利な環境にいると人間自身が本来持った能力や知恵が低下、もしくは違う方向にいくのでは、という危惧を感じる。
技術の進化でこれからあらゆることが自動化され、果てしなく便利を追及されていきそうなのだが、その先にどんな人間が出来上がっていくかのイメージはあるのだろうか。
昨今多発し続ける若者による凶悪犯罪の記事等を読み、その一因を考えるとどうしてもそのような印象が拭えない。
過剰な便利さは、反面で人間として生きている実感を失わせてしまうような気がしてならない。
新年早々に微妙な話で恐縮だが、時代の流れに乗ることも必要である反面、少しでも客観的、俯瞰的に流れの動きを見ることも必要だと思うのだ。
本年もよろしくお願いいたします。