「両面提示の法則」という言葉を初めて聞いた。
売り物である商品を説明したり、自分をアピールしたりする時に、いいことだけをPRするのではなく、欠点も説明する、つまり両面をしっかり提示すると相手にいい印象を与える、ということなのだそうだ。
たとえば「この商品は耐久性がとてもよい」という、いいところだけの説明だけより、「この商品はちょっと重いけれども、耐久性がよい」という説明のほうがよい、というわけである。
世の中には万事にOKなんてものはなく、条件や環境や対象によって欠点になることは必ずあるものだ。
その説明をきちんとしてから、セールスポイントを説明すると、相手は信頼してくれる確率が高くなる、という理屈である。
0(ゼロ)から5を紹介されるより、最初欠点の-(マイナス)3を言ってから5を説明すると、8ランク上がった印象になる、ということだろうか。
5より、8のほうがいい。
確かにいろんな展示会や売り場で「これいいですよ」「これこんな便利ですよ」とよい説明ばかりされると意外に買う気にならない。「そんないいものがこんなに安いなんておかしい」と思う。
「ちょっと高いけどこんなに便利」ならまだ信用出来る。
で、この両面提示にはコツがあって、欠点を先に言うのだそうだ。
これが逆になるとマイナスになる。
たとえば相手を評価するのに
「仕事は遅いけど、きちんと丁寧に仕上げるなあ」
「丁寧な仕事をするんだけど、仕事が遅いなあ」
では、確かに言われ側の印象はまったく違う。
会社を説明するのに
「社長はバカだけど、社員は優秀だ」
「社員は優秀だけど、社長はバカだ」
では、仕事の受注に影響してしまう。
日頃の言葉、そんなことを意識するだけで人間関係や仕事のやりとりが大きく変わるかもしれない。