法律の勉強がほぼ終了しました! | 寝ぼけ眼のヴァイオリン 寿弾人kotobuki-hibito

自分の作っている小説についての話です。

 

前回の記録からおよそ2週間。毎日のように、ネットで資料を漁っては読み込み、バカ高い専門書をまたしても購入してこれも読み、ついでに「子ども家庭福祉六法」も買って(これ、ものすごい分厚い!)………

やったー!

とうとうこの主人公の弁護士の戦略が出来上がってきたのです!

 

ふう、ここまでなかなか苦行でした。

 

さて、実父による性的虐待を受けた少女を救うにはどうしたらよいか?

 

あのね、一番簡単なのは、児童相談所に通報して、お任せしちゃうことなんです。

多くの弁護士、というか、ほとんどの弁護士はこれをやる。

被害の証言がとれたら、児童相談所の所長が一時保護といって、施設で預かり、軽く調査をして、腹が決まれば所長によっては、家庭裁判所に親権停止や親権喪失の申立を行う。そして児童相談所所長が親代わりとなって、この少女について決めていく。

施設では被害少女はよくわからないまま、スマホを取り上げられ、基本的には厳しいルールに縛られた生活を送ることになる。

時折、弁護士とか家庭裁判所の調査官などが話をしに来るけれど、何が行われて自分がどうなるのかはよく分からない。

 

まあ、そういうことです。

ベルトコンベアに乗せられたみたいに、とにかくされるがまま。

 

少女によっては「安心して暮らせるだけで幸せ」と思うかもしれない。でもさ、性的虐待は心を粉々に破壊しているので、問題はそれで解決ではない。よく報告されている事例だけれど、目先のサバイバル生活が終わって、安心して暮らせるめどがついた後から、心理的なトラウマがフラッシュバックし、自傷や自死の衝動、もしくは性的な破壊衝動などが彼女を襲うのです。

去年取材した感じで言うと、子どもの人権に詳しい弁護士でも、こうした被害少女に対して「私たちが彼女を救ってあげている。この子は救われて幸運だ」とでも信じ込んでいる節がある。まあ、そりゃね、自分の家なのにいつ襲われるか分からないから恐怖で眠れないとか、家出してトー横でその日暮らしの放浪生活を行っているのに比べりゃ、確かに表面上はマシではある。そして人権弁護士は、自分を「苦境にいる少女に手を差し伸べたヒーロー」くらいに思っているから、リアルな被害少女の気持ちには気づけない。いや、実際にそういうのは目にするのだけれど「それは自分にはどうにもならない」と目を背けているように思える。

去年の人権弁護士さんへの取材での一番の収穫は、結局、なんだかんだいって、彼らは法律実務のプロではあっても、それは自らのやりがいも含めた単なる仕事であって、出会った少女の人生に寄り添うまでの覚悟はないのだということだった。

 

でね、この物語の一番の肝は、この貧乏女性弁護士が、マジで少女を救おうと考えるとこ、なんですよ。

 

まずさ、お金の問題があるわけです。被害少女の代理人として私選の契約結んでも(この場合は「手続き代理人」)、当面、報酬がないんです。弁護士会があとで報酬を払ってくれる制度もあるけれど、安いうえに、最初は全部自腹。

現実としては、弁護士稼業もボランティアではないから、誰もそんなことをやりたがらない。

ところが、この主人公は、事務所運営も火の車だというのに、これを引き受けてしまう。

 

周りは呆れるし、「奇特な変わり者」と思われる。

でもさ、この主人公には、少女の被害を児童相談所に通告してさようならという自分を許せないし、弁護士は法律を駆使して、一方的な被害者である少女の心も人生も救うべきだという衝動に駆られるんですよね。

 

かなり変わったこの主人公の法律的な戦略が見えてくると、どうこの主人公と被害少女が戦っていくのかが見えてきて、これが見えてくると、少女の両親や親族などの心理や動きも具体的になってきて、さらにはラスボスである加害者の父親がどのように主人公を邪魔しようとするのかも見えてくる。

 

なんと、中盤へ向けてのストーリーがどんどん躍動し始めたのです!

これは嬉しい!

 

とはいえ、弁護士って本当に金がかかる。おもに専門書が本当にバカにならない。今回は「実務コメンタール 児童福祉法・児童虐待防止法」と「子ども家庭福祉六法」を購入しましたが、これで1万円。さらに専門分野での判例や見解などをチェックしようと思えば、専門の雑誌を定期購読する必要があって、これがまた種類が多くて、いくらかかるんだという感じ(もちろん、私はこうした情報はもっぱらネット検索で関連する内容を見つけてはお茶を濁しています。私の場合、児童虐待に関する実務書はもうかなり購入していて、ネットで見つけた参考文献がもう溢れかえっている)

それに弁護士会の会員費もあるし、事務所のテナント料もあるし、電話回線も必要だし、、、、、。

まあ、弁護士が金にうるさくなるのも仕方がないことではあると思う。

これはね、ガンガン稼がなきゃ、食っていけませんよ。

それでもおそらく、憲法違反の訴訟などを手弁当で提起して、世の中の役に立とうとしているような志の高い弁護士は少数だけれど確実にいるのだと思う。

 

さあ、またぐりぐり妄想するのです!