キャンベラのチャリダーさんと写真を撮ってお互いの無事を祈って7時過ぎにナラボーを出発。
追い風に、緩やかなアップダウン。しんどくて休憩するってこともなく、ずっと漕いでたから、
手が痺れた~。
この日は、初ブッシュキャンプ(野宿)。
キャンベラのチャリダーさんは、ユークラから200キロ近く漕いでナラボーまで来たと言っていた。
私はそれを途中ブッシュキャンプを挟んで二日で100キロずつ走る。
とうとうブッシュキャンプかぁ(笑)
だいたいのポイントを決めて、100キロ超えたところで、テントを張れそうな場所を見つけたら
そこにしよう。カドからもらったキャンプ用の地図にも、何か所かレストエリアが記されていて、
ブッシュキャンプに適した場所もわかる。ほんとこの地図は助かる。
同じオーストラリアの地図でも、某マップでは死者がでたくらいですもんね・・・。
と言ってもあっちのエリアはほんとの砂漠地帯ですけど。
砂漠、といえば、ナラボーを走破したチャリダーの多くが、次は「レイルウェイを走りたい」という。
ライダーさんが挑戦するのはよく聞くが、チャリダーにとってはかなり命の危険にかかわる難所。
現にらくだ使いさんは、AUS一周のあとにレイルウェイにチャレンジしたが、身の危険を感じて
途中で断念しています。
「レイルウェイ」とは、オーストラリアの内陸を横断している鉄道に沿ってできたダート。
真ん中に線路があって、その両側に道らしきものがありますよね。
列車なので駅はありますが、駅から駅の間自転車だといったい何日かかるのでしょうか・・・。
その間、食料や水の補給場所もないでしょうし・・・。
元彼さんやオグちゃんは、このレイルウェイをバイクで越えています。
通称「インパシ」。この列車がナラボー平原を通過していくのをみたかったと聞きます。
ちなみに私はアデレードからパースまでこの列車に乗って2泊しましたが、景色は全く変わらず、
ずっと平原のなかを走ります。
オーストラリアの広さを感じますね・・・。
ま、私が走っているのは内陸ではなく海沿いのハイウェイで、どんなに遠くても200キロ
くらい走れば水の補給はできますので、大丈夫です。ほんとひよっこチャリダーですから。
途中の休憩ポイントで、素敵な集団と遭遇。
写真傾いててごめんなさい。
クラシックカーでAUSを旅するご夫婦たちです。
カニをもらいました( ̄▽+ ̄*)
セデューナで釣ってきたのかと思われます。車だったらOKよね・・・。
しばらくお話しして、お礼を言ってからは、もうすぐそこにあるバンダクリフを目指して走りました。
そしてとうとう、辿りついた風景・・・
この景色をみるため、セデューナから436.74キロ、まさたかと走ってきました。
車であれば5時間くらい?
その5時間を、5日間かけてチャリで漕いできました(^^)
この景色は、私にとって、素晴らしく価値のある景色。
オーストラリアの大陸の端っこ。
この景色を間近で観たいがために、自分が前に進む力だけでここまでこれました・・・。
おそらく1周する目的のチャリダーさんにとっては、素晴らしい景色の中のひとつなんだと思いますが、
その中でも、マサさんたちが印象に残ってる風景だと言ってました。
もうずいぶん前、ノースマンにいた頃だったか、とあるチャリダーさんにみせてもらった写真に、
ここでディジュを吹く姿を撮った1枚がありました。
すごく自然に溶け込んでて、きっと自身にとって最高に素敵な音色なんだろうなって想像してました。
ナラボー平原の、いったいどこまで続くんだろうって言うくらいの地平線から、海へと続くダートを
しばらく走った先に見えるこの光景・・・。
ほんとにほんとに私にとって、価値のある景色です。
この日は、ここで初めてのブッシュキャンプ。
ドキドキですが、自分の勘で、ここが最適の場所だと判断しました。
自分でも勘は鋭い方だと自覚していますが、この日も勘は当たります(笑)
夕刻、1台のキャンピングカーが停まりました。オランダから来た2組のご夫婦。
挨拶をすると、今日はここで一泊するから、とのこと。ひとりじゃないっていう安心感:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
車に案内され、コーヒーとお菓子をいただきました。
この旅始まって以来、カニやらお菓子やらの差し入れ。
なんだかすごくいい日。
しばらくお話ししてお礼を言ってテントに戻ろうとすると、一緒にご飯を食べましょうとお誘いが(≧▽≦)
ごはんが出来たら呼びに行くからねってヾ(@^▽^@)ノ
ほんとに涙がでるほど嬉しかったですよ。
オージービーフにサラダにデザートのメロンまでいただきました。
見ず知らずの旅人にこんな風に親切にしてもらって、ほんとなんてお礼を言っていいやら・・・。
あったかい気持ちのこもったごはんをいただきながら、今までの自分のAUSでの経験を話したり、
ぜひノースマンのロッヂ101に行って欲しいとも言いました。
息子さんが南オーストラリアのポートリンカーンでマグロ漁をしているんだそうで、日本にも輸出してる
とのこと。実際日本に帰ってからスシローに行ったとき、マグロ(ポートリンカーン産)って書いてあって
おおー、息子さんのとったマグロだわと感激して食べた(笑)
話は尽きないけれど、疲れもあって、すでにねむねむ・・・。
ひとことどころかふたこともみことも言っても言い足りないくらいのお礼を言って、おやすみの挨拶。
「もし夜に何かあったら、ドアを叩きなさいね」 って・・・。
初めてのブッシュキャンプがこんなステキな時間になるとは、思ってもみませんでした。
星空の下、波と風の音を聞きながらの歯磨き。ノースマンの宿にいたころは寝る前の大好きな時間。
安心して眠れると思って寝袋に入ってしばらくして、「うおぉ~うおぉ~」と低い音で鳴り響く風が
人のうなり声のようで、ひとりだったらほんとにこわかっただろうなって思いました。
これまで5日間頑張って漕いできたことへの、神様からのご褒美かな・・・(〃∇〃)
この日の走行距離:116.53キロ 初めて100キロ超えました!
このチャリ旅の中で、一番素晴らしい日だったと思います。
この景色をみれたことで満足。あとはノースマンへ。そして無事に日本へ帰るのみ・・・。
そう思ったからか、ここから試練がやってきます・・・。