初めてチャリダーという人種に遭ったのは、97年のブルーム。
自分と同じ誕生日、同じB型の野球小僧。
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http://ameblo.jp/kotobuki-428/entry-10115518960.html#main
今思えば自分が出逢ったチャリダーの中で、すごくまともな好青年だったと思う。
なんせチャリダーという人種は飄々ととらえどころがなく、風のようでもあり、そのくせ妙に印象深い。
長距離バスや車、バイクというった旅の手段もあるのに、なんでまたチャリ?
野球小僧のやっちゃんにとっては毎回聞かれる質問だろうけど、なんせこっちは旅の途中で初めて
遭ったチャリダーさんなので、興味津々。
やっちゃんの答えはなんだったんだろう?
笑ってはぐらかされたような気もするし、ちゃんと答えてくれてたような気もする・・・。
でもなんでチャリなのか、そんな理由は特に必要ない。
あとから、キックボードで旅をするキックボーダー(そのまんまですが)とか、ウールワースやコールスの
買い物カートを手で押しながら旅をするさっちゃん、ただ歩いて旅をする徒歩ダーもいると知った。
その時点で、チャリ旅を選んだ人はまだ普通だと思える。
じゃあ、自分は何のため?
私はチャリで旅をしようとかAUSを一周しようとか、そんな壮大な思いはなく、ただ自分のみたい景色を
観に行くために、バイクも車も運転できない私が唯一時間に制限されることなく景色を堪能できる手段、
それがチャリだったから・・・。
というのは後付けの理由かもしれなくて、要は、自分が今まで出逢ってきたチャリダーさんたちが
妙に羨ましく、自分もその仲間としてチャリでAUSを走るという経験をしたかったからかも。
ノースマンという田舎町で滞在していて、たくさんのチャリダーに出逢って、お世話して話を聞いて、
普通の人がやらないようなことを、自分もできるならやってみたいと思ってしまったのが理由か(笑)
最初にAUSに行ったのはまだ20歳そこそこ、地元の合唱団の演奏旅行でシドニーのオペラハウス
で歌うため。その頃は、海外旅行なんてしたくない、国内で十分、英語なんてできないし嫌いだし、
そんな人でした。今からじゃ想像もつかないですね。人生何がどう変わるか誰にもわかりません。
自分ですら、今、中国語を勉強してるって、AUSにいた頃は想像できなかったですから(^^)
それ以来、何度かオーストラリアをバスで移動しながら旅をしたり、長期滞在を繰り返す生活。
いつもナラボー平原を夜間に走る長距離バスが、バス会社同士の合併なんかで、時刻表が変わり、
昼間になった(今ではもう廃止されている路線です)。おかげで、バンダクリフの壮大な景色を、
バスの車窓からみることができた。
オーストラリアの、大陸の端っこってこんな断崖絶壁なんだ・・・。
感動してる私の3つほど前の席の欧米人のお兄ちゃんも同じようにその景色に見入っていて、
「すごいね・・・」と目と目で会話した。ほかの乗客はみんな寝てた。なんせ30時間以上もひたすらに
走るだけの長距離バス移動なのだから、仕方ない(笑)
そのバンダクリフに、自分の力だけで行ってみたい。
多くのチャリダーが口にする「ナラボー越え」をやってみたい。
内陸部を縦断したり北西部を旅することに比べれば、ナラボー平原をひたすら走る1400キロは
それほど難関ではない。ただ、町と町の間が離れていたり、水の補給が難しかったりすることは
仲間からも聞いていた。
その仲間たちが言う。「姉さんだったらできるよ」と・・・。
そう言って多くのチャリ仲間にそそのかされた感も否めないけれど、「危ないからやめておけ」という
友だちは皆無だった。最初は無理無理って言ってたカドくんも、最後には何も言わなくなった。
なによりも、らくだ使いさんの後押しも大きかったかもしれない。
出発前に、タカシくんとオグちゃんのお墓参りに行き、同じ名古屋のヒデくんとケンゴくんに逢い、
その足で東京に向かった。東京では、マサさんとヒロくん、そしてエツコが壮行会を開いてくれた。
「オグちゃんのためにも、みっともない走りはできないね」
オグちゃんのお墓の前で、タカシくんが言った。妙なプレッシャーをかけないでくれー。
オグちゃんのふるさとの名物の前で。この前日は名古屋港に釣りに連れて行ってもらった。
残念ながら、セデューナのようにカニは釣れなかった。
「どうか無事で」
ケンゴくんからもらったのは、ミスチルの歌の歌詞カード。
ヒデくんは、同じAUSのチャリ仲間のヒロさんとともに、頑張れーと居酒屋でエールをくれた。
初対面のヒロさん、まったく初対面と思えない打ち解け方は、やはり同じ旅人同士だったからかな(^^)
マサさんもヒロくんもチャリダーの先輩だけど、よく考えたらマサさん、ナラボーはロードトレインを
ヒッチハイクして越えたんじゃなかったっけ?
横断の旗は、タカシくんからのせんべつ。メッセージも添えられてます(^^)
とっても大事にしてたのに、ネパールのエベレスト(もちろん途中までですよ)のトレッキングの最中、
盗まれてしまったのだ・・・。
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なにやら無事に帰ってこれるようにとミサンガをつけられているらしい。
誰がくれたものなのか、全く記憶にないし、チャリ旅の間、つけていたのかも記憶にない・・・(^^)
逢えなかったチャリ仲間たちからはメールや手紙をもらった。
「頑張れ」「無事に帰って来い」「GOOD LUCK」などなど・・・(涙)
自分の足で辿り着くナラボーのバンダクリフの景色はどんなだったのか・・・。
いましばらくチャリ旅にお付き合いください(^^)