「融通無礙」という言葉がある

これは別にむずかしい理屈でも何でもない

いたって平凡なことだと思う

 

もし道を歩いていて

その前に大きな石が落ちていて向うへ行けない場合どうするか

石によじ登ってでもまっすぐ行くというのも一つの方法である

しかしそこに無理が生じるのであれば

石をよけてまわり道をしてゆく

それが融通無礙だと思う

 

もちろんときにはまわり道のない場合もある

そういうときにはまた別の方法を考える

 

素直に

自分の感情にとらわれないで

この融通無礙ということをたえず心がけていくところに

世に処していく一つの道があると思うのである