オンライン作文小論文教室「言葉の森
」では講師が月に1回ほど保護者の方と電話面談を実施します。私が担当する、米国に在住する生徒の保護者の方からこんなご相談がありました。
「下の子はアメリカで幼稚園から通ってきたせいか、上の子ほど日本語力が強くなく、英語の得意なお友だちと遊んだり、家でも上の娘と英語で話したりするようになり、少し心配です。」
海外赴任のため、日本からたとえば英語圏の国に引っ越してきた当初はお子さんが英語という新しい言葉の壁にぶつかったり、海外滞在期間が長期化すると逆に英語はどんどん身につくのに日本語がおろそかになってきたり、といったことがよくあります。今回のご相談は後者の例ですが、この場合大事なのが各家庭でルールを決めて守っていくことです。うちでは、カナダで生まれ育っている娘に将来マルチリンガルは有利であることを分かりやすく説明した上で、ママ(私)には日本語、パパには英語、学校(フレンチイマージョンスクール)では先生とはフランス語、友だちとは英語で(現地校に日本人生徒は1人もいず、ここオンタリオ州南部ウィンザー市には日本語補習校がありません)話すというルールを決めました。このルールを守ってきた9歳の娘は順調にトライリンガルになっています。赴任で海外に来られた方のお子さんの場合、将来日本に本帰国する予定であること、また帰国生入試には必ず日本語小論文と日本語面接があることを話しておきましょう。日本語を母語とする親御さんの務めの一つは普段から日本語で親子の会話を図ることにあります。
また、学校の長期休暇中は親子の会話をたっぷりとる絶好のチャンスです。ちょうどクリスマス休み(冬休み)が近づきましたね。日本の伝統文化である折り紙でクリスマスリースなどをお子さんと楽しく日本語で会話しながら作ってはいかがでしょうか。こちらのサイト にはクリスマスリースの他にも、サンタ、ツリー、ろうそくなどクリスマスにちなんだ折り紙の作り方がたくさん載っています。折り紙がなくても大丈夫。このサイトではクリスマスパターンの紙がプリントアウトできるようになっています。
折り紙はorigamiと英語になっているくらいですから、クリスマスカードに添えて外国の方々に送るのも喜ばれます。私は、そのサイトを利用し、家にあった2色刷りの折り紙で折ったツリーにクリスマスパターンの紙を貼り付けました。この折り紙ツリーをクリスマスカードに添え、今年の春や夏にアメリカの大学院の博士論文の調査にご協力いただいたシニア(高齢者)センターに送りました。
前述のサイトのトップの左上の「おりがみくらぶTOP」をクリックすると、クリスマス以外にも年賀状、節分、イースターなどたくさんの折り紙が紹介されています。みなさんもぜひ日本語で親子の対話を楽しみながら折り紙を一緒に作り、お子さんの日本語力を維持・向上してあげてくださいね。