13年湘南高校特色検査で問われる見る力①
PISA型とはいったい何だろう?
今回は、わたくし国語教科担当の薗田が
神奈川県内の公立高校の中でも1,2を争うトップ校、
湘南高校
の独自入試を取り上げます。
ちなみに湘南高校の卒業生には
石原慎太郎、阿部昭、江藤淳、鹿島茂などの作家もいます。
石原慎太郎 氏
2013年の湘南高校の特色検査の問1は、
「矛盾」という言葉について元になった古代中国の話を読み、
その文章についての内容正誤の選択問題でした。
この設問では「矛盾」という言葉についての語彙の知識がもちろん問われています。
加えて「矛盾」という言葉自体に含まれる論理性の真偽を選択肢の文脈の間違いから問うというものでした。
単なる知識としてだけではなく、
言葉を文脈から論理的に判断する力を試す問題と言えます。
また、問3は『池上彰の新聞ななめ読み』
(2010年12月24日朝日新聞)からの出題でした。
池上彰氏がPISA(OECD経済協力開発機構が国際的実施をする「生徒の学習到達度調査」)の調査結果を報じる各社の新聞記事の矛盾を指摘しているコラムを取り上げたものです。
そのコラムと実際の調査結果の数値とを照らし合わせ、
答えを出す問題でした。
この設問はPISAの問題で実際に問われた統計資料を見る力を試す問題と同様なものです。このように文章のみならず、他の情報と組み合わされたような形式の文章出題がPISAの出題の中心です。なぜなら、日常生活に必要な読解力という観点が強いからです。
次回につづく