”花火ってのは、いろんな場所で、いろんな人間が見てるだろ。
もしかすると自分が見てる今、別のところで昔の友達が同じものを
眺めてるのかもしれねえな、 なんて思うと愉快じゃねえか?
たぶんな、そん時は相手も同じこと考えてんじゃねえかな。
思い出っつうのは、だいたい、似たきっかけで復活するんだよ。
自分が思い出してれば、相手も思い出しているんだ”
伊坂幸太郎 ”ゴールデンスランバー”
伊坂さんの小説、”ゴールデンスランバー”で登場する、心に残るコトバ。
花火屋のおじさんが、、アルバイトで働く、青年達に、何気なく伝えたときの言葉。
おじさんの息子は、花火屋の仕事を継がないで、家を出て行ってしまった。
きっと、このおじさんも、どこかにいる自分の息子が、、この花火を見てくれてたらいいな、、と、
そんな風に思ってるんだろうな、、と、青年達は思っていた。
想い出はいつも、誰の心にもそばにいてくれるもの。
その”想い出”には、自分だけでなく、、一緒にいた仲間や友達、、
景色や、空気、、たくさんのものが詰まっている。
たぶん、、そこで一緒に ”その瞬間” を感じていた、、相手の心にも、ずっと忘れずにあるはず。
想い出は、ちょっとしたマジックを生み出すこともある。
たとえ、ずっと会えないときが続いても、ふとしたきっかけで会うことだってある。
時間を越えて、、あの頃に戻してくれる、、魔法のようなものかもしれない。
そんな時は、、お互いが、ふとしたきっかけで、、”あの頃”を思い出してるのかもしれないね。