書くつもりはなかったのだが、どうしても文章にしたくて
LIVEレポートと言うよりはザックリとした感想に近いものとして承知頂きたい。
先日、ぜんぶ君のせいだ。とゆくえしれずつれづれという
ある意味両極端でありながら合わせ鏡のような2グループをあの場で一緒に観れた事は
個人的に非常に意味のある事だったと思う。
インディペンデントなクリエイターチームであるcodomomental.Incが、
インディペンデントな地、名古屋から発信する2組のアイドルグループ。
果たしてこれはバンドの隆盛が目覚ましい現行の音楽シーンに対する反撃なのか....。
期せずして生まれたこの2組によってシーンは確実に塗り替えられえる、そう感じた夜だった。
さて、ゆくえしれずつれづれだ。一言で言うならば、気狂い染みていた。
想像していたLIVEのイメージは開始1分も待たずに蹂躙されたわけだ。
暗転の中物々しい口上と共にオンステージするゆくえしれずつれづれの3人、そして
『逝ってきます』という最期の科白と共に鳴り響く世界の終わりのようなデジタルエフェクト。
僅か30秒の間に破滅的なつれづれの世界を構築し切る演出、この時点で脱帽。
ここからはもう衝撃の連続、ただただ圧倒された。
デカダンかつ荘厳なヴィジュアルロックの世界観と、叙情派ニュースクールハードコア由来の
ソリッドで浮遊感のある空間系サウンドを、デジタルなセンスでマッシュアップしたような
他に類を見ない、「ゆくえしれづつれづれ」というジャンルが既に確立されていた。
静が動の暴力性を掻き立てて、動が静の狂気を研ぎ澄ます。
静動のコントラストの両極端を更に煮詰めたような破壊と喪失を音像として体現した
サウンドも圧巻だったが個人的に一番驚かされたのが、3人のボーカルワークだ。
ぜん君。「ShitEndプラシーボ」での十字の「Kiss me no say...!!」のような瞬間的な破壊
力を生む装置としてのシャウトではなくしっかりと歌唱法としてのスクリームを行使していた。
あんな華奢な女の子が、だ。しかも3人とも。
UnderoathのSpencer Chamberlainを彷彿とさせるような激情型のスクリーミングの応酬が
楽曲の中で見事に機能している事がゆくえしれづつれづれの衝動性を更に加速させていた。
更に言えば微笑みながら叫び散らしている姿はまさに狂気のそれであった。
また、どの曲中かは失念してしまったがメンバーの◎屋しだれがダイブをした。
大の大人でも尻込みするほどのMARZのあのステージ上から予告なしで、単身で。
これがLIVE2回目であるのにも関わらずだ。あれが予め決めてあった事かどうかは不明だが
業の深さを思い知らされた、どんだけのものを背負ってるんだこの子達は。
とにもかくにも僅か25分間を狂気と暴力と喪失と忘却で染め上げたゆくえしれづつれづれ。
新宿MARZは彼女達の棺と化したのだった。
これで2回目のLIVE、一体何処まで行くのだろう。末恐ろしいさすら感じたLIVEだった。
楽曲に関しては、デジタルシングル以外聴き込めていないため内容の考察はまだ出来ないのは
非常に恐縮だが、とにかくこの世界を感じてほしい。LIVEを是非観て欲しい。
そして早くフィジカルが欲しい!!!
「セットリスト」
1.群青
2.つれづれ賛歌
3.凶葬詩壱鳴り
4.新宿シネマコネクション
5.Ideology
6.鏡想唱二鳴り
そして、ぜんぶ君のせいだ。だ。
彼女達のLIVEに関して筆者は既にお馴染みと言っては御幣があるが、観慣れているが故に
安心して観れる心持だったのだが昨日のLIVEはまた少し違った。
後輩であるつれづれのLIVEに触発されたのか、目に見えてかなり滾っていた。
LIVEを始めてから約半年、ステージでのパフォーマンスもようやく板に付いてきて、
既存の楽曲もしっかりとものに出来てきている事も如実に感じられた。
パフィーマンスに関しては、これから一気に伸びるだろうと思う。
そしてこれは完全に個人的な筆者の肌感でしかないのだが、
ワンマンツアー以降、彼女達のLIVEの多幸感が回を重ねる毎に増している気がするのは
決して気のせいではないと思うのだ。
これまでの「楽しい」とはまた違った、愛が零れだしたように良い表情をするようになった。
きっと彼女達はワンマンツアーを経て、何かを見つけたのだと思う。
筆者がワンマンツアーファイナルのあの場で感じた想いはきっと間違いではなかった。
本当にいいグループに成長していると思う。
2回点目の「ねおじぇらす✡めろかおす」を走り切った後の彼女達の笑顔は本当に眩しかった。
あの汗に塗れた顔も、ボサボサになった髪も、息を切らしたその動悸も、全ては
いつかの大きなステージに繋がっていると、そう確信できた。
良いLIVEだった。
あと「拝啓、おとなグラム」が好きなのでフィジカル化を日々期待している。
「セットリスト」
1.ねおじぇらす✡めろかおす
2.うぇゆうぇゆうぉっ~ヒネクレノタリ~
3.Hello Kiss Me No Say
4.ぼっちコネクト終
5.キミ君シンドロームX
6.ヤンデレクイエム
7.ShitEndプラシーボ
8.拝啓、おとなグラム
9.無題合唱
10.ねおじぇらす✡めろかおす