何年か前、ナイジェリアからのゲストDさんを迎えた時のこと。
「BOXを買いたい!BOX!BOX!」
と言うDさん。
BOX?
ハコ?
箱が欲しいの?
一体何の??
首を傾げていたら何のことはない、キャリーバッグのことだった。
それなら…とドン・キホーテへ。
「どれがいいと思う?」
「それは私にはわからないよ。あなたが必要な大きさや個数をしらないもの」
「そうよね」
なんて会話を繰り返し、2つのバッグを選んだDさん。
いざレジへ。
通訳をしながら店員さんと話していると、Dさんが言った。
「ディスカウントは?」
おおぅ…
私、びっくり。
こういう所で値引き交渉をする感覚、日本人にはあんまりない…と思う。
少なくとも私には、ない。
ましてやここは、激安の殿堂。
ここまで値引かれているものに対して、それを言うか…!
と、驚いたのもつかの間。
すぐに思い直した。
日本が違うというだけで、値引き交渉をするのが当たり前の国は世界にたくさんある。
その上彼女はこの店が、他よりかなりお安い激安の殿堂とはわかっていない。
ということは当然、自国の感覚でモノを言うよね。
ついでに言うと、先日「定価」という感覚は日本で生まれたと何かで読んだ。
日本でも今や「他店より1円でも高かったらお知らせください」というお店はあるし、フリーマーケットやイベント等なら値引き交渉は比較的当たり前のこととして受け入れられている。
でもドン・キホーテかぁ…
めちゃくちゃ大量買いをしたわけでもないし、私にはあそこで値引き交渉という発想はなかった。
なるほど。
こういうのが当たり前の環境で育つことで、人は交渉術を身につけていくのかもしれない。
そんなことを 最近、「negotiation」について英会話のインストラクター達と話しているときに思い出した。
>『交渉術は苦手なの』につづく