その歌い方は国民性? | ことばの魔法 ことばのチカラ~ことば探検家ひろが見つけたコトバと人間

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ことばに宿る、不思議なチカラ。
人間の言語習得やコミュニケーション能力の奥深さはまだ解明されていないけれど、とんでもなくおもしろい。
気づいたら私のコトバ探検は本格化されていた。

私のダンスの先生は、踊っている最中によく歌う。
といっても、ずっと歌っているわけでもなければ、曲に合わせて歌うわけでもない。

ならば彼の「歌う」とは何なのか。



私が習っているのはサルサダンス。
先生と手を取り、曲に合わせてステップを踏む。

「1、2、3…5、6、7」
このリズムに合わせて踊っていると、先生が何かを言う。
先生との会話は基本的に英語。
プラス(主に先生の)気分でスペイン語。

ほとんど会話に困ることはないのだけれど、たまによくわからない。


 んっ?!

 何?今わからなかった…


聞き返そうとしたその瞬間、先生が口にしたその音が音源から流れてくる。
つまり…


 先生、歌詞の先取りで歌ってただけか…


まったくもって紛らわしい。

慣れないラテンダンス。
今の私にとって踊りながらの会話は、たとえそれが日本語であっても難しいのだ。
他の生徒さんの質問に答えているうちに、ステップも体の動きもぐちゃぐちゃになってしまう。

ましてや英語やスペイン語。
頭と体なんて、簡単に離れてしまうというわけ。


この「先取り」の歌い方が、彼の個性なのかドミニカ共和国の国民性なのかはわからない。
私には彼以外に、ドミニカ共和国に知り合いはいないから。

でも…
紛らわしいよ!
毎回、ビクッとするわ!!

だいぶ慣れたけど…
やっぱり慣れないのでありました。