赤は女性?男性? | ことばの魔法 ことばのチカラ~ことば探検家ひろが見つけたコトバと人間

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ことばに宿る、不思議なチカラ。
人間の言語習得やコミュニケーション能力の奥深さはまだ解明されていないけれど、とんでもなくおもしろい。
気づいたら私のコトバ探検は本格化されていた。

ロシアと日本は似ているらしい。
家族や子どもを大事にするとか、先祖を大切に敬うとか…

ロシアのAさんに「何故日本語を勉強しはじめたの?」とたずねたとき
返ってきた理由がこれだった。

ロシア語と日本語
白人と黄色人種
世界最大面積の国と極東の島国…

異なる面はたくさん見える。

でも彼は、『似ているところがたくさんある』と言った。
だから日本語を学びたいのだと。

何ともいえず、心が震えた。


日本の文化に興味があるとか
マンガやアニメが好きだとか
文化も食も、何もかもがまったく違うからとか、
そういった理由で日本に来たり、日本語を学んだりしてくれる人は多い。

でも『似ているから』という理由は、今まであまり聞いたことがなかった。

しかもアジアの国――たとえば中国や韓国のように
歴史的にも深い関わりがあり、見た目も似ている国の人ではなく
ロシアの人がそういう目で見てくれていることの意味。

これってすごいことではないだろうか。


Aさんが、お土産のひとつにマトリョーシカのストラップをくれた。
「赤がひろさん、青がまさ(夫)さん」

 女性が赤、男性が青

実はこの考え方は世界共通ではない。

むしろ、カラーセラピスト視点から言わせていただけば
赤は男性性、青が女性性を表している。

そしてヨーロッパの国々に行けば、お手洗いの男女の区別を
日本のように色彩で行っている国はあまりない。

同じ色(たとえば黒)で描かれ、形で区別されている。

「海外旅行に行った日本人が、探しても探しても女性トイレを見つけられなかった」
なんていう笑い話もあるくらいだ。

でもロシアは、日本と同じ感覚らしい。
お手洗いの標識を指さして「ほらね、同じ」と嬉しそうなAさん。

 赤が女性、青が男性

初めて聞いた。


そういえば、日本語とロシア語も、
大きな波で聞くときと細かい音で表すときとでまるで違うコトバのように聞こえる
という共通点があった。
(『大きな波と細かい音の集まり』参照)

コトバにおいてだけでも、
探せばきっともっと、いろいろな角度から共通点が見えてくる。

(実はひとつ、「おおっ!」ということがあったのだけれど
 後に「ちょっと違うかも~」と思ったので、検証が必要になってしまった。
 いつかはっきりしたらここに書きたい。)


『違い』と共に『共通項』もたくさんあるのがひとつの地球上にある“世界”。

違うところも、同じところも、どっちも楽しめたら
そんなに嬉しいことはないよね!