オーストラリアで新年を迎える頃。
私はある家族のニューイヤーイブパーティーに交ぜてもらっていた。
お邪魔した家のダンナ様がガレージを製作中。
パーティはそこで開かれた。
「ひろ、せっかくだからここに日本語で書いて!」
と、あるテーブルを指さし油性マジックを渡される。
「何を?」と問う私に、彼はひとこと。
『Do Your Best!』
ああ、Do Your Best ね。
うん、了解。
と思ったところでふと気づいた。
Do Your Best って、日本語で何て言うの??
オーストラリアにいるとよく聞くこの言葉。
ナチュラルに何の違和感もなく「OK~!」と受け取っていたけれど
それは向こうの感覚だった。
日本語で、何??
困る私。
あまりに困り果てている私を見かねた彼は
「じゃあ『A happy new year でいいよ』」 と。
私はしぶしぶ…思い浮かばなかった自分をものすごく残念に思いつつ
本当にしぶしぶ、『明けましておめでとう』 と書いた。
ああ…情けない。
その後、ふとした時に気づいた。
Do Your Best って、『ベストをつくせ!』じゃん!!
さらにもっと、海外の人が喜ぶ日本語を書くのなら、複雑な(?)漢字を交えて
『最善を尽くせ!』
なによもう…
どうして浮かばなかったのよ、私…
そうは思っても、考えてみれば日本語ではあまりこのフレーズを使わない。
カタイ場で、「最善を尽くして…(何たらかんたら)」という人はいるけれど
オーストラリアの日常で普通に使われている「Do Your Best!」とは
ちょっと、コトバに対する感覚が違う。
その時の私は、向こうの感覚になっていたということだ。
だから私にとって
Do Your Best は、あくまでも Do Your Best だったというわけ。
私、友達に「Do Your Best!」とは言えても
「最善を尽くすのよ~!」とは言えないもんなぁ…