エリトリアって知ってますか?
アフリカの、エチオピアに隣接する小さな国。
私はSさんと出会うまで、その国の存在を知らなかった。
JICA研修員の方々のホームステイやホームビジットを受け入れていると
知らない国名とよく出会う。
世界は広く、いかに自分の世界や知識が狭いかを
その度に痛感している。
SさんはナイジェリアのDさんを通して知り合った。
彼女も英語が堪能。
でも実は、エリトリアでは英語は話されていないという。
母国語はひとつのローカルな言語。
ナイジェリアのように多言語が混在しているわけではないらしい。
つまり、国内での生活において、英語は必要ない。
日本と同じ。
では何故、彼女は英語があんなにも堪能なのか。
彼女に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「英語の番組がたくさんあるからじゃないかな」
あれ?
「日本に来たら、英語の番組がCNNひとつしかなかった。
そこが違うと思うわよ」
なんかこのセリフ、どこかで聞いたことがある。
そうだ、この間会ったスウェーデン大使が、まったく同じことを言っていた!
そう。
スウェーデンもエリトリアも、他国と陸続きとはいえ
基本的にはひとつの母国語が話されている国だ。
でも彼らのほとんどは英語が堪能。
その理由を問うと、示し合わせたように同じ答えが返ってきたということだ。
もしかしたら、理由はそれだけではないかもしれない。
でも、言語を専門研究している人ではなく
一般のレベルで、英語を習得したことに対する見解は同じだった。
英語の番組放送
根付いてないよね、日本には。
音声切り替えができるとか、有料テレビ番組まで入れれば
CNN1本ということはないけれど。
日常的に自分の身の回りで英語の波を自然に耳にする機会があるかどうか――
彼らはそれを言っているのだと思う。
確かに、韓流ドラマが好きで見続けていたら
韓国語がわかるようになっていたという人は少なくない。
それと似たような感じ。
コトバは楽しんだモン勝ち。
そして、その溢れる音の中にいたモン勝ち。
答えはいつだって、いたってシンプル。
“溢れるほどの英語番組の放送が自然と存在する社会”
そうなったら、日本人の英語観に革命が起こるかもしれない。