つい先日、在日スウェーデン大使にお会いした。
お会いした途端、「こんにちは!」ととてもフレンドリーに言われ
私は最初、相手が大使だとは気づかなかった^^;
スウェーデン人は概してみんな、英語が堪能だ。
でも国内で英語を話す機会はほとんどないという。
機会がないのに英語が堪能なのは一体何故?
疑問に思い尋ねてみると、大使は自身のご経験を交えて話してくださった。
大使は学生時代に1年ほど日本語を勉強して初めて来日されたのだという。
でもそのとき、日本語はまったく話せなかったのだそうだ。
今は驚くほど堪能なのだけれど。
来日後、約1年ほどで話せるようになったと仰る。
その間大切だったのは、とにかく実践、体験だった。
特に毎朝、下宿先のおばあさんに「お出かけですか?」と聞かれるから
まず1日の予定を伝える必要があったこと
そして帰宅したら1日何があったかを必ず報告していたことが一番いい経験だったそう。
今に活きていると仰っていた。
やっぱりね。
言葉は、どんなに読み書きを勉強しても話せるようにはならない。
結局は実際に耳で聞いて口に出すという
生きたインプットとアウトプットが必要だ。
では国内で英語を話す機会がないはずのスウェーデン人の英語力は?
そこで次に、スウェーデンの英語事情を話してくださった。
まず、スウェーデンでは英語の映画やドラマがたくさんテレビ放映されているらしい。
吹き替えではなく、字幕スーパーで。
だから日常的に英語で会話をする機会はさほど多くなくても
英語を耳にする機会が多い。
それ故に耳が慣れていく。
さらにイギリスが近いから、学生時代は毎年3~4週間ほど
イギリスを旅して生きた英語に触れる時間を作る人が多いのだそうだ。
大使自身もそんな体験をなさっている。
それが当たり前のこととしてスウェーデンには根付いている。
スウェーデンの学校教育が、日本のそれとは違い
体験重視であることとも繋がっている風習だと私は思った。
確かに、日本の勉強はとにかく机上のものが多い。
体験学習という言葉も耳にするようにはなったけれど、それでもまだまだ少ない。
そもそも、『体験学習』という言葉を使わなければならないということ自体、
“体験から学ぶ”ということが根付いていない証拠だ。
それが、日本人を苦しめている『言葉の壁』の存在とも繋がってくるのだと
『スウェーデン人にとっての当たり前』を知って、改めて思ったのだった。
やっぱり体験て、大事よね。