オーストラリアでのキャンプツアー参加中、
たくさんのドイツ人と知り合いになった。
ドイツ人は英語が堪能な人が多い。
そしてとっても友好的。
何かと世話を焼いてくれ、話す時間も長かったおかげでいろいろな話ができた。
『ドイツ語は英語と似ている。 でもドイツ語の方が難しい。』
とは、その頃聞いたことだ。
確かにね。
似ている音はあるし、言語学的に分ければ同じゲルマン語族。
さらにドイツ語に存在する名詞の性は英語には存在しないし
人称に合わせた動詞の変化などは、英語とは比べ物にならないくらい複雑だ。
それと比べれば、楽…なのかもしれない。
ただ、この
『英語と似ているけれどドイツ語の方が難しいからドイツ人にとって英語は楽』
という説はやっぱり当時からずっと疑問だった。
すべてのドイツ人がそう思うのなら、本当にそうなのかもしれない。
そして確かに、日本人にとっての英語よりは楽なのかもしれない。
でもどうして?
英語は彼女達にとって母国語ではないじゃない。
あくまで母国語はドイツ語でしょ?
だったら英語が苦手な人だって存在するんじゃないの?
むしろ、いて当たり前だと思うんだけど…
不思議で不思議で仕方がなかった私。
そんな旅の途中、あるドイツ人の女の子に会った。
「英語は苦手なの~」と言う彼女。
その言葉は、私をホッとさせてくれた。
ただ、今になって――そう、多言語に触れるようになって
見えてきたことがある。
それは、近い言語同士は重なり合っているということ。
イタリア語とスペイン語とポルトガル語とフランス語と…
例えばラテン語圏の言葉。
もとが同じ言語だから、単語や文法が似ている。
音が同じだから何を言っているかわかったり、
音は違っても文字にして読めば理解できたりする。
母国語が違っても共通点が多いということは
そのベースがもともとない人よりは、ある人の方が
その言語に親しみを持ちやすいし理解も早い。
さらにやはり、身近な環境で耳にする機会がある言語ほど
そりゃあ自分の中には入りやすい。
そういう視点から見れば、
『日本人よりドイツ人の方が英語に抵抗を持ちにくい』
↓
『結果として、話せる人の率が上がる』
ということなら言えるかな、と思う。
ではこれが、日本人にとっての外国語の場合はどうなのかな~?
ということで、②につづく。