役者は当然ながら自分がしゃべる台詞は
最後まで頭に入っています。
そのため段取りで芝居をしがちになります。
この段取り芝居は観客にとって
「予期せぬ展開」にならないのです。
観客は芝居がどう展開して行くか先が読めてしまって
客席のテンションは上がりません。
特に自分の台詞が無いときの芝居が
一番重要なのです。
大抵の役者はそこで「お休み」をするのです。
「お休み」をすると一発でスキを見破られる本当の
恐さを知っている役者は多くありません。
まず人間の「欲」である「評価してもらいたい」「目立ちたい」などの
訳の分からない価値観を取り去る必要があります。
そのためにはまず考えないことです。
集中することです。
自分の回りのくだらない価値観、欲をすべてそぎ落とし
純粋なる「自分」を見いだすようにします。
そこではじめて「本当の言葉」がしゃべれるようになるのです。
役作りはそれからやるべきです。