あんまり緑が美しい


今日はこれから死に行くことすら


忘れてしまひそうだ



真青な空


ぽかんと浮かぶ白い雲


六月のチランは


もうセミの声がして


夏を思はせる



「小声の声が楽しそう。

 俺もこんどは小鳥になるよ。」


日のあたる 草の上に寝転んで


釘本がこんなことを云っている


笑わせるな



本日14:55分


いよいよ チランを離陸する。



懐かしの祖国よ!


さらば!



使ひなれた万年筆を


「かたみ」に送ります。