明日、3月11日は、わが家を購入者へ引き渡す日。
購入者の銀行がなかなか決まらなかったので、司法書士の決定等の連絡があったのは、3月1日。
その日は引越し当日で、インターネットも電話も新居にまだ引かれていなかった。
もちろん、携帯電話も見る余裕なし。
そのため、前住所のままにしておくという注意も知らずに、ひな祭りの3日には、すでに住所変更の手続きをしていた。
ラッキーだったのは、市役所に届け出をした後、最寄りの警察署で運転免許証の住所も変えていたため、本人確認情報と住民票と印鑑登録書が一致していたので、問題なかった。
市役所に行った後、すぐに免許証の住所変更をしようといったのは、パートナーのM。
府中市の警察署では、一般の人が入れる駐車場が狭い。
けれど、私たちが入ろうとしたとき、たまたま出ようとした車があったので、駐車場に停められた。
停められなければ、後日ということになっただろう。
惜しむ心があるうちに売る
手をかけたわが家。
壁のみならず天井も、ほぼ8割以上は珪藻土を塗っている。
珪藻土は光触媒で汚れないので、特に塗り替える必要はない。
その上空気清浄機能もある。
また、湿度が多いと水分を吸い、乾燥すると吸っていた水分を吐き出す。
5年前に外壁、屋根やヴェランダも塗って、お風呂もリフォームした。
幅広の雨戸もガレージのシャッターも、自動。
その他諸々。
おまけにバス停は家から100m足らず。
(新居のバス停もそのくらい)
わが家を手放すにあたっては、後ろ髪を引かれる思いもあった。
けれど、築30年にもかかわらず、感動したといって、家を買ってくれた若い夫妻。
残念ながら、日本では(他国では違う)30年経った家では、土地の価格でしか売れない。
けれど、現実には、購入者は建て替えなければならない家か、そのまま住める家かで判断する。
住めない家と判断されたら、更地にして売るしかない。
その解体費もかかる。
もっと時間が経ってしまえば、売れなくなるかもしれない。
惜しむ気持ちがあるうちに、売った方がいいだろう。
長男は都内に居を構え、
三男夫妻は、今年ロスアンジェルスで家を購入するつもりだ。
だれも戻ってくることはないと分かったのも、家を売るきっかけの一つだ。
売れるまでに少し時間があったので、気持ちの整理ができて、越してしまったら、前の家の方が住みやすかったにもかかわらず、全然未練がない。
Mの方がリフォームを手掛けたので、懐かしんでいる。
皆が支えてくれた引越し
約170㎡弱の家をシニアの私たちが住んでいたら、無駄なものばかり増えていた。
おまけに、二人とも物をとことん最後まで使い切るタイプで、捨てられない。
しかし、今度ばかりは引っ越し前も後も、捨てるものが後を絶たない。
皆にあげたり、リサイクルショップに寄付したり、ちょこちょこ処分したりする程度で片付くものではない。
Mの知り合いの廃棄物業者のYさんが、大きなものをずいぶんと処分してくれた。
Yさんは自分の仕事が好きで、いつも爽やかな笑顔。
良心的な値段と仕事ぶりに、口コミでお客さんが後を絶たない。
台風の水害のときも、都の仕事をずいぶんこなしたという。
Mはいつもの通り、業者のお金になる銅線だのアルミだのの金物と、それ以外のものを細かく分け、重い物を運び出すときは、一緒にやった。
それにしても、Yさんは信じられないような安い値で処分してくれて、感謝、感謝。
………
また、すぐに手が痛くなる私に代わって、旧居にも新居にも近いMの娘が荷造りを、その夫が荷運びを手伝ってくれた。
Mの娘もM同様、掃除・片付けが半端なく上手い。
私にその能力がないのは、自他ともに充分認識している。
彼の娘と息子家族計8人が、わが家に年に何回も泊まりに来ていたし、もうホントの身内。
引越し業者に頼む前に、段取りをしていなければ、とても片付くものではなかった。
…………
私の引っ越しを知って、シャブリ等の白ワインを持ってきてくれたご夫妻。
彼らとは、亡き夫と息子たちと家族ぐるみでお付き合いしていた。
このワインは、旧居で飲んでしまった。
わが家の庭で増えた日本サクラソウをあげたら、レースで敷物を編んでくれたご近所の方。
レースの敷物はどこかにまぎれてしまったが、そのうち出てくるだろう。
私も庭からサクラ草を持ってきた。
引っ越し疲れで喉が渇いたら召し上がれと、伊予から柑橘類を送ってくれた亡き夫の兄嫁。
(夫の兄も亡くなっている)
新居に豪華なトルコ桔梗とカーネーションを届けてくれた亡き夫の弟。
新居の近くのそばに「勤務先があるのよ」と、電話をくれた友人。
………
引っ越しから4日間、外へ出ないで片づけをしていたら、気持ちが沈んでしまった。
けれど、そんなとき、私たちの引越しを支えてくれた皆の心遣いを思うと、元気になった。
太陽光を浴びないと、うつっぽくなるのか、4日ぶりになじみのない外へ出るときは怖かった。
新居近くには、これまた亡き夫の従妹や私の友人が住んでいる。
亡き夫も助けてくれているのかな?
夢叶った(?)私
何よりもMが建設業を長く営み、第2の人生がリフォーム業のことが大いに助けになった。
耐震診断をしてその工事経験もある彼は、引越し前から耐震を考えた家具の配置を図面に書き込んでいた。
地震のとき家の中で亡くなるのは、火災や地震によって倒壊した家具に押しつぶされるからだ。
とはいうものの、今回の家は前の家のように、彼の考えた転倒防止策が有効でない。
つまり、床置きできない棚は壁に打ち付けるという方法だ。
昔の在来工法の古い家なので、打ち付けるベニヤ板がほんの部分的にしかないので、ネジが効かないのだ。
けれど、彼は頭を悩ませながら工夫をしている。
………
彼のお片付け能力にも助けられているのは、言うまでもない。
ここで一言、彼も私も前の連れ合いのお墓があり、子どももいるので、一緒に住んでいても籍は入れていない。
片付けが下手な私の学生時代の夢が、叶ったのかな?
私 「同棲したいなー」
母「なんで?」
私 「だって、お片づけは、相手がやってくれるもの」
ユーチューブ投稿
エーザイ筑波研究所での講演
体内時計には逆らえない ~「眠る」も「学ぶ」も「働く」も体内時計に従えば世界は変わる ~
「白く舞うもの」を 「涙のトッカータ」のスキャットに乗せて
自作の詩語りとスキャット
~ ギターとピアノと共に ~
『去っていった人 残されたものたち』
著作
詩集
『去っていった人 残されたものたち』
『アイビーの若葉』
『聖子宮』
本名の小松智子で
田中喜美子氏の元で、子育てアドバイザーを務め、多々の子育て本に参加