3匹目の母グモC子と巣にある3個の卵のうの観察を始めた日、

真っ黒な小さなクモが、卵のうの1個に覆いかぶさるようにしていた。

 

卵のうには、出のう中と思われる子グモたちの姿があった。


6月23日 9:58      10:47

 

  

黒クモの名は クロマルイソウロウグモ。どこもかも、まっくろくろけ。

                  

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クロマルイソウロウグモ ・ヒメグモ科 マルイソウロウグモ属

            ・♀2,7~3mm ♂2~2,5mm

            ・出現期 7~8月 

            ・クモを襲うクモ

 

南方系のクモで、温暖化により徐々に北上してきたそうだ。

同じヒメグモ科の網に侵入して網の主を捕食したり、

卵のうのそばに待機して、出てくる子グモを食べるのだという。

 

参考文献 「日本のクモ」 新海栄一 著 文一総合出版

 

日本のクモ (bun-ichi.co.jp)

 

 

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造網性でも徘徊性でもない。
網を張り獲物がかかるのを待こともなく、

歩きまわって獲物を探す必要もないわけだ。

 

オオヒメグモは体長5~8mm、クロマル3mm。

成体を襲うのは難しくても子グモたちなら簡単。

 

オオヒメグモの巣は多く、卵のうを数個つくる。

居候しながら出のうする子グモを待てばいいだけだ。

なんという習性!

 

オオヒメグモの卵のうと出のうは何度も見たが、

襲われていたのは初めて。状況を理解するのに数秒かかった。

 

6月23日 9:58         

 

今度は隣の卵のうに。C子にはどうすることもできない。 

 

6月24日 12:22  

 

 

翌日もクロマルは卵のうから離れずにいた。

 

6月25日 10:34           

 

 

食事の後の破裂しそうに膨らんだ腹部。何とも言えない。

親戚であるダニのようだ。

 

17:01 

 

C子は考えたのだ。

 

翌朝、襲われた卵のうよりもずっと下の雨どいのそばに

隠すようにして4個目の卵のうをつくっていた。

 

6月26日 7:48

 

7;49

 

エライね。よくやった。 ハピーエンドにこじつけて観察は終了。