5月22日の午後、いっせいに旅立った後に

遅れて続く数十匹の子グモたち。

 

晴天は10日以上続き、この日も朝から気温が上がり始め、

午後には25度を超え、時折、帽子を飛ばすほどの風があった。

 

風が吹く瞬間、子グモたちは思いっきり脚を離して風に乗るのだろう。

 

14:16:55

 

 

助け合う子グモたち

 

 

人間世界と深く関係するクモの世界が

とてもわかりやすく解説(もっと的確な言葉があるはずですがあせる

された本に出会った。

 

「クモ(田んぼの生きもの)」 農文協

文・写真 新海栄一 緒方清人 

 

http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54008235/

 

「クモは、ふ化ー脱皮ー出のうーまどい―脱皮ー分散

という過程をへてひとり立ちをする」

 

「初秋のころに産卵してつぼ型の卵のうをつくり、

約一か月後にふ化した子グモが、

本州では卵のうの中で越冬する」

 

「卵のうの中で卵からかえった子グモは脱皮をし(1齢幼体)

卵のうに穴を開けて出る。その後に塊状の「まどい」をつくり、

まどいの中でも脱皮をし(2齢幼体)、糸を流して飛び立つ」

 

風に運ばれていたのは2度の脱皮を終えた2齢幼体で、

ナガコガネグモの場合は、まどいは一週間ほどとあった。

 

穴は協力して開け、まどい(団居)の中で一体となって過ごし、

最後のフライトの瞬間まで助け合うのだろう。

 

卵のうの中で孵化して脱皮をするが、上手く孵化できないものは、

先に脱皮した子グモに食べられてしまうこともあるそうだ。

 

 

 

「クモの子を散らすように」という言葉があるが、

散らばるというより転がるようにして風に運ばれていった。

運命は風が握っている。

 

14:12:41 風さん風さん、どうか、少しでも多く安全な場所に運んでおくれ。

 

 

14:15:48     どくだみの葉っぱ

 

14:20:29 いざ出航