夫が退院してから一年が経った。
退院後の一年間を無事に過ごすことは一つの目標だった。
真夏と真冬、季節の変わり目には特に気を付けて過ごした。
退院が春だったことはいろいろな面でよかった。
退院当時の夫は不安だらけだったけれど、
5ヶ月経った頃には自転車に乗れるまでに回復し、
同じ病気の友人と、自転車ででかけることが日課になった。
健康だと信じていた夫が脳梗塞になったことを始まりとして、
経験のないことの連続に衝撃を受けてばかり。
夫の体の心配と、何もかも変わってしまった生活環境や日常に、
気持ちが付いていかずに悩まされた。
この一年は、環境の変化を受け入れて
生活設計を立て直すためのものだったのだろう。
いろいろな葛藤を抱えながらも何とか着地できたようだ。
失ったものやあきらめたものがあったけれど、
得たものや気づかされたことも多くあり、
いろいろなことを有難く思えるようになった。
そして入院中も退院後もずっと感じていたのは 、
大きな負のエネルギーを持つ病気の怖さだった。