21世紀の自然治癒の健康相談ー9、ガンの転移

三石巌:全業績ー6、分子栄養学の健康相談、より

50歳の女性、1年前に乳ガンにかかって、右側乳房を切除しました。腕がはれたり、首の感じが変だったり、胸がつったりして、たえず、転移ではないかと心配しています。いまは、2ヶ月に1回、定期検診を受けていますが、大丈夫でしょうか。

私のアドバイス、
 2ヶ月に1回の検診というのは、2ヶ月の時間をおいたら、どんな変化がおきているかを、主として転移について検査する診察です。ということは、ガン細胞がよそに定着して、そこで発見可能な大きさまで増殖するのに相当な時間がかかる、ということです。
ふつう、ガンの病巣がそれを診断できるまでには、その直径が1cmちかくなければなりません。すると、細胞数は10億程度になります。最初は1個だったガン細胞が、10億に増えるまで、ガンは発見できないにひとしいということになります。だから、転移と診断される前に、手を打つことができるのなら、手を打ちたい、とだれしも思うでしょう。
 ガン細胞のかたまりができて、それが大きくなるためには、周囲の組織に食い込んでいかなければなりません。そこで、結合組織の丈夫さが、ガンの成長のカギをにぎる、という見方があります。
 結合組織は、繊維状タンパク質コラーゲンや、粘膜多糖体ヒアルロン酸などからできています。正常なコラーゲンと、十分なヒアルロン酸とがあれば、結合組織ががっちりスクラムを組んでいるために、ガン細胞は強いしめつけにあって、なかなか生長することができません。末期ガンの患者でも、ビタミンCによって天寿を全うする人は20%、とポーリングはいいます。
 完全なコラーゲンを作るためにはビタミンCがなければなりません。また、ヒアルロン酸の分解を防ぐはたらきが、ビタミンCにはあります。だから、ビタミンCは、結合組織強化のカギといってよいものです。
  結合組織のしめつけだけでは、ガン細胞に直接の攻撃をかけることにはなりません。攻撃をかけるものをリンパ球といいます。これがどんどん作られれば、ガン細胞は破裂してしまいます。
 ところが、リンパ球をつくるのに、リンパ系組織での細胞分裂が必要です。そして、細胞分裂というものは、無限に行われるものではありません。ある回数で頭打ちになってしまうのです。これを、「ヘイフリックの限界」といいます。
 よく、ガン年齢という言葉がきかれますが、これはヘイフリックの限界がきた年齢を意味すると思ってよいでしょう。そこで、ガン年齢にきたことで、万事をあきらめなければならないとしたら、科学も大したことはない、とバカにする人がいるかもしれません。
 ところが、この限界が延長できるのです。それがビタミンEのはたらきの一つとなっています。この場合、ビタミンEは、天然品でなくてもかまいません。ただし、このための1日必要量は、体重50kgなら最低500IUというような見当です。
 転移の予防をふくめてガンの予防についてはじめて理論を発表した人は、ワールブルグというドイツの人です。その理論は、イギリスのクレプスの研究に立脚したものでした。 わたしたちの体ではエネルギーを作り出さなければなりませんが、それには、酸素を利用する好気的な方法と、酸素なしでの嫌気的な方法とがあります。クレプスは、好気的な方法にはビタミンB群がなければならないことを発見しました。ということは、ビタミンB群がないと、嫌気的な方法でエネルギーを作らなければならなくなるということです。
 一方、ワールブルグは、ガン細胞が嫌気的な方法しかとらないことを発見しました。それで、ビタミンB群の不足によって、正常な細胞を嫌気的な方向に追いやることが、ガン化の原因の一つだといいだしたのです。ワールブルグは、ビタミンB群による、ガンの予防や治療を夢にえがいて亡くなりました。
 こんなわけで私は、ビタミンのCとEとB群とを、転移予防の柱と考えます。コラーゲンもリンパ球もタンパク質なのですから、低タンパク食では話になりません。近頃、セレンというミネラルが脚光をあびるようになりました。
 申すまでもなく、上記のアドバイスは、私のまわりの乳ガン手術を受けた人たちに広くつたわっています。いまのところ、期待通りの経過をみることができています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロテイン20g*2+断糖ケトン食
ケトン体の目標は、男性1.0mmol/L、女性0.5mmol/L。
普通に糖質を摂っている人ではケトン体は0.0~0.1mmol/L。
アルブミン4.2~4.5、Hgb12~15を維持することが最重要。

A、B、ナイアシンアミド、C、E、D3&K2、Fe、Zn、Mg、Se、CoQ10、Rリポ酸。
がんの人は、Cは12~15g飲める方が多い。

定期的にイントラリポス点滴+「B+C+グルタチオン点滴」。
毎回点滴前にケトン体を測定。

・バター、MCTオイルパウダー、アセチルカルニチン500*4(分2)で油が燃えやすくなり、ケトン体が上がりやすくなる。
・30~60分の少し早足の散歩で体温を上げると、ケトン体が上がる。
・酵素風呂、塩化Mg入浴、陶板浴などの温熱療法でもケトン体が上がる。


元記事はこちら