活性酸素による酸化で老化が進む
「若さを保つ栄養メソッド」より
現在、老化の原因として最も影響が大きいと考えられているのが、活性酸素による細胞の酸化です。ヘイフリックの限界も、酸化によってテロメア短縮が加速されることで早まってしまいます。
人が生きて呼吸をする限り、酸化からは逃れられません。ご存じの通り、人は酸素を体内に取り込んで、二酸化炭素を吐き出します。取り込まれた酸素は、まず気管を通って肺に行きます。肺には肺胞という小さな部屋が6億個以上あり、酸素は肺胞の薄い膜を通り抜けて、肺胞表面の毛細血管を流れる血液中のヘモグロビンに吸収されます。
ヘモグロビンは鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結びついたもので、全身に酸素を行き渡らせる運送屋です。ヘモグロビンによって細胞に運ばれた酸素は、細胞の中の小器官ミトコンドリアに送り込まれます。そこでエネルギー代謝がおこなわれ、生きるためのエネルギーであるATPがつくられます。
酸素は私たちが生きるエネルギーを得るためになくてはならないものですが、ミトコンドリアの電子伝達系で酸素を利用すると、電子伝達系をこぼれ落ちた電子に酸素が作用し、約3%の酸素が活性酸素となってしまいます。
活性酸素はあらゆる物質を酸化させる強い力を持っており、鉄がサビるように、細胞がサビてしまいます。細胞を包む細胞膜が酸化されると、サビ=過酸化脂質が生じて硬くなり、細胞の機能が落ちてしまいます。
こうして遺伝子の酸化が繰り返されると、異常な細胞分裂が起こり、がん化することもあります。活性酸素はあらゆる細胞を傷つけてしまうのです。
活性酸素による酸化ダメージで細胞は傷つき、若さはどんどん失われ、老化は促されます。がん、シワ、シミ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まり、寿命にも悪影響を与えてしまいます。
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●代表的な4種類の活性酸素
・スーパーオキシド :酸素を使ったエネルギー代謝の際に発生する活性酸素。
・過酸化水素:スーパーオキシドが、SOD酵素に分解された後に生まれる活性酸素。
スーパーオキシドや金属元素と反応すると、ヒドロキシラジカルが生まれる。
・一重項酸素:毒性の強い活性酸素。紫外線を繰り返し浴びていると、
皮膚の細胞中に大量に発生し、皮膚がんを強力に促す。
・ヒドロキシラジカル:毒性が最も強い活性酸素で、がんや生活習慣病、慢性疾患、
老化の直接的な原因となっている。
●体内で合成される強力な抗酸化酵素
カタラーゼ
SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)
グルタチオン・ペルオキシダーゼ
※これらの原料となる物質
鉄:カタラーゼの原料
亜鉛、マンガン:SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)の原料
セレン、NAC(N-アセチルシステイン):グルタチオン・ペルオキシダーゼの原料
●外から取り入れられる主な抗酸化物質
ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA
ポリフェノール(とくにフラボノイド)カロテノイドなど
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