ビタミンE(その3)~「不飽和脂肪酸の自動酸化」を防ぐことは最重要

「メガビタミン健康法」より

  生体膜が酸化する弊害について、もう少し詳しくご説明していきます。「不飽和脂肪酸の自動酸化」という現象は、体にとって迷惑以外の何者でもありません。
  これは生体外でも起こる現象です。みなさんよくご存じの「酸化した油は体に悪い」ことと同じです。植物油や魚油は、時間の経過と共に酸化して過酸化脂質が生じます。それは「不飽和脂肪酸の自動酸化」という現象です。
  酸化は紫外線に当たることによって促進されるので、本当に良い油は紫外線を遮る遮光瓶に入っています。食品でいえば、魚の干物や冷凍マグロも「不飽和脂肪酸の自動酸化」を起こし、過酸化脂質が増えているので、できれば避けるべきでしょう。
 酸化した油を摂るのが体に悪いことと同様に、この現象が体内で起きることもまた、体に悪いのです。
  細胞膜やミトコンドリア膜などの生体膜は、細胞や細胞小器官を包み込み、細胞内へ栄養や酸素を運搬し、アンモニアなどの毒素の排出をします。この仕事がスムーズに行われることによって、私たちは健康体を維持できます。
  しかし、生体膜に含まれる不飽和脂肪酸(リン脂質など)は、酸化しやすい性質を持っています。
  活性酸素は生体膜の不飽和脂肪酸を攻撃します。不飽和脂肪酸は2つの分子が結合していますが、三石先生はこれを「ムカデの頭部と胴尾部」の2つに分けて説明しています。
  頭部は1個の水素であって、胴尾部は脂肪酸の本体です。これが活性酸素(ラジカル)の攻撃を受けると、それぞれが脂肪酸ラジカルとなります。その2つの脂肪酸ラジカルは、隣にある不飽和脂肪酸を攻撃して脂肪酸ラジカルに変えてしまうという、連鎖反応を起こすのです。
  この攻撃に歯止めが利かないと、不飽和脂肪酸は瞬く間に焼き尽くされてしまいます。連鎖反応が終結した後に残るのは、焼き尽くされた残骸ともいえる過酸化脂質です。

・飽和脂肪酸は酸化されない。


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