本で紹介した認知症症例の1年後

以下は、「すべての不調は自分で治せる」、より
【症例】アルツハイマー病も2か月間の治療で改善 
 50代後半の男性です。平成28年頃から物忘れがひどくなっていました。いつも物を探してばかりで、忘れ物を取りに戻っても何を取りにいったのかわからなくなる、という状態になりました。
 そのうち、これまで普通に行っていたスーパーへの道順がわからなくなることがありました。平成30年7月の広島豪雨災害の時は、家への帰り方がわからなくなり、なかなか帰宅されないので、ご家族はたいへん心配されたそうです。
 平成30年11月に奥さんが私のFacebook記事を読んで、奥さん同伴で受診されました。 
 このときの検査結果は、HDS-Rが23点、数唱は4/4、遅延再生は6/6、MMSEは26点でした。HDS-R21~25点は軽度認知障害と診断されます。
 
認知症検査に用いる指標
・HDS-R(長谷川式認知症スケール):日本で最も用いられている認知症テスト。30点満点で20点以下なら認知症。
・数唱:100-7の計算や数字の逆唱などの計算。4点満点でレビー小体病(DLB)では低下しやすく、アルツハイマー型認知症(SDAT)では保持される。
・遅延再生:覚えてもらった3つの言葉を後で思い出してもらう。6点満点でレビー小体病では保持され、アルツハイマー型認知症では低下する。
・MMSE:世界で最も用いられている認知症テスト。30点満点で20点以下なら認知症。21~25点は軽度認知障害(MCI)。

 男性は宙を見るような呆然とした表情をされていました。顔色も悪く、シミが目立つことから、糖化が進んでいることが窺えます。お聞きすると、やはり甘い物好きとのことでした。
 この日から、高タンパク/低糖質食+プロテイン20g(60cc)×2回、ビタミンB50、ナイアシンアミド500、ビタミンC1000、ビタミンE400を開始しました。
 初診時、BUN14.4、フェリチン359でした。
 1週間後の再診では、プロテインは毎日2回飲んでおり、お菓子やパンは止めるなど、糖質は意識して減らしてくれました。ビタミンは毎日2回飲めているとのことです。
 処方薬はないことから、3か月毎に通院して経過を報告していただくことになりました。その後、奥様からFacebookのシェアコメントで、「一時期、本当にどうしようもなくボーっとして無反応だった頃から見れば、かなり改善しています」とご報告がありました。
 若年発症のアルツハイマーで、認知症テストでは軽度認知障害(MCI)の段階です。ビタミンB50は3~6錠に増量、ナイアシンアミドは2000~3000mgに増量 (吐き気が出ない最大量)。ビタミンEは2000IUを目標に増量をアドバイスしました。ベンフォチアミン(ビタミンB1)も150mg×2~5錠の追加をお願いしました。
 認知症の改善には、メガビタミンB1+メガナイアシン+メガビタミンEが基本です。
 初診から3か月経過し、奥さんと共に再受診されました。
 HDS-Rは26点、MMSEは24点と、点数自体はさほど変化はありませんでした。しかし、ひと目見て明らかに顔色がワントーン明るくなっていました。
 奥さんによると、よくしゃべるようになり、冗談もいえるようになったし、話しかけると反応が出るようになったとのこと。また、本を読めるようになったので、料理本を見て料理をするようになったそうです。目つきがしっかりしてきたということで喜ばれていました。
 奥さんが先述のように食事とサプリメントをしっかり管理されているので、頼もしい限りです。
 プロテイン20g×2+高タンパク/低糖質食。砂糖と小麦はすべて止め、米は時々少量のみ。
 ベンフォチアミン150mg×2錠、
 B50×4錠、
 ナイアシンアミド500mg×4錠、
 ビタミンC1000×3錠、
 ビタミンE400×4錠、
 を継続しています。
 その後、マグネシウムを当院で購入し、
 ビタミンA25000IU、
 ビタミンD10000IU、
 セレン200mcg、
 そしてレシチンを追加していただきました。
  令和元年8月、治療を開始したから9か月が経過しました。
  HDS-Rは27点、MMSEは27点と、上昇されていました。
  前回追加したマグネシウムを当院で購入し、ビタミンA25000IU、ビタミンD10000IU、セレン200mcg、そしてレシチンにオメガ3も加えて継続されていました。
  すると、反応はかなりはっきりしてきたということで、日常会話は問題なくできるようになるまで改善しました。
  表情が豊かになり、冗談がいえるようになったそうです。
  さらには、料理もできるようになり元気が出てきたということで、アルバイトまで始めたいといい出されたそうです。すごい変化だと驚いておられました。
  振り返れば、男性の母親は甘いものが大好きで、糖尿病を患っていたといいます。そうした環境でしたので、ご本人もこれまでは糖質ばかり食べていたそうです。
  このケースからわかるように、認知症は、長年の糖質過剰による、質的栄養失調が原因です。重症筋無力症、パーキンソン病などの他の神経難病も原因は同じです。
  食生活をお聞きすると、白米と漬け物だけで済ませたり、無類の甘いもの好きのため、間食にお菓子ばかり食べています。
  奥さんの実感だけでなく、HDS-RおよびMMSEも改善しており、数値的にも明らかに効果が出ています。
  次回に向けては、ベンフォチアミン、ビタミンB50、ナイアシンアミドをもっとメガ盛りにしてもいいとアドバイスしました。
  抗認知症薬として、アリセプトやレミニールなどを処方する医師が多いと思いますが、効かない薬よりも、この分子栄養学を選択すべきです。
 この認知症などで神経難病を改善するのは、「頭の良くなるレシピ」ですので、中高生が実践すればIQ20(偏差値10)のアップが期待できます。
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H30.11,
HDS-R23点、数唱4/4、遅延再生6/6、
MMSEは26点

R1.12,
HDS-R29点↑
MMSE27点↑。
あと追加するとしたら、グルタチオンの原料となるNAC。

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