睡眠薬依存(ベンゾジアゼピン依存)にはナイアシン
症例;40代後半、男性。
大学卒業後、大手製薬メーカーに勤務。
35歳時うつ病を発症して休職。
精神科クリニックに通院するが、仕事に復帰できず退職。
以後10年以上無職。
退職後、うつ病は治ったもののその後10年以上睡眠薬に依存。
妻とは離婚し、広島の実家に帰った。
当院にはH22より通院。
不眠、不安の訴えが続き、”眠れないので薬を増やして欲しい"と毎回訴える。
当院の他に、他のクリニック数カ所でも睡眠薬をもらったりする等の行動あり。
精神科病院にも何回か入院したが、改善せず。
ダルク(薬物依存リハビリ施設)に通所、入所したが改善せず。
母親は、”うちの息子はもうどうにもならない、死なないと治らない。”と言われる。
ここ数年で糖尿病となり、メトグルコ6T、スーグラ1Tを投与。
糖質を減らすよう何度も伝えるが、全く実行できない。
毎晩コンビニに行き、夜食のカップ麺などを食べる。
眠前薬は、ヒルナミン(50)4T+ニトラゼパム(5)2T+フルニトラゼパム(2)1T+レクサプロ1Tで固定。
睡眠覚醒リズムが悪く、作業所も休むことが多い。
H30.1、GOT85、GPT146、TG353、HbA1c6.1。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでの経過は、もう治りようがない経過。
どこの精神科病院、クリニックにも何人かいる困った患者。
睡眠薬も減らせないし、糖質制限もできない。
重度睡眠薬依存+脂肪肝+糖尿病。
H30.3、176cm、89kg。
ナイアシン+B50+C1000を開始。
ナイアシンは500mgで開始し、フラッシュがなくなれば増量。
B50*2、C1000*3。
H30.4、87.8kg↓。
ナイアシンはフラッシュがなくなり1000mgとしている。
ビタミンで少し元気が出たような。
H30.6、85.2kg↓。
ナイアシン2000mg。
ビタミンで体調が良くなり、気分がスッキリした。
GOT36↓、GPT75↓、TG289↓、HbA1c5.8↓。
→プロテインを勧める。
H30.9、84.0kg↓。
ナイアシン2000mg。
プロテイン20g*2を3ヶ月継続。
体が軽くなった。
夜がしっかり眠れるようになった。
不安感も軽減し、とても落ち着いている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
薬物依存(アルコール依存も含め)にはナイアシン+C+B50。
Eもあった方がさらに良い。
ナイアシンで、不眠、不安が改善する。
B50でエネルギー代謝(クエン酸回路+電子伝達系の好気性代謝)が活性化し、脂肪酸をエネルギー源として使用しやすくなる。
Cは脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みに必要なカルニチン合成の補酵素。
つまり、ビタミン剤だけでも体重減少効果がある。
糖質制限ができれば一番良いのだが、プロテインを飲めば糖質摂取量が減る。
糖質摂取量が減れば当然、体重減少効果あり、脂肪肝、糖尿病も改善。
元記事はこちら