メグビーメールマガジン 4月号 Vol.97、より
「ニコチン酸(ナイアシン)の不足でどうなるか」
ニコチン酸は、そのままの形で食品からとれるが、タンパク質を構成するアミノ酸の1つトリプトファンから自前でつくることができる。
したがって、タンパク質を十分にとっていれば、ニコチン酸の不足はないはずだ。
ただし、トリプトファンからニコチン酸をつくる代謝には、ビタミンB2・B6がなければならない。
代謝という名の化学反応に酵素がなくてはならず、多くの酵素が補酵素を要求する。その補酵素として特別多くの代謝に登場するのがニコチン酸である。
ニコチン酸の不足は、結局は、低タンパク食からおこるわけだが、これからくる症状は、食欲不振にはじまり、ついで吐き気や腹痛となる。
このとき、下痢と便秘が交互にやってくる。
ひどいと下痢がとまらなくなり、歯肉炎がおき、舌が赤くはれてついに割れる。
口角炎や胃炎もおこる。大腸潰瘍の危険もある。手や腕の皮膚が、うろこ状にはがれる。
ニコチン酸の不足は神経症の原因にもなる。頭痛、健忘症、錯覚、いらいら、不眠、不安感、めまいなどがおこる。
1mgのニコチン酸をつくるのに60mgのトリプトファンがいる。トリプトファンは動物性タンパク質に多い。
統合失調症がニコチン酸の大量投与でなおることがある。
この病気も、ニコチン酸の不足と関係のあるケースがある。
【三石巌全業績?11 健康ものしり事典 P189より抜粋】
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