今月のメグビーメールマガジン、コラム
三石巌の書籍で、現在絶版のため読むことができない物の中から、短編のコラム記事をご紹介させていただきます。
「卵を食べるべきか」
卵はコレステロールのもとだから、敬遠するのが賢明、という常識がどこかにあるようで、私が卵をすすめると、無知をなじられるのが通例である。それならそれで、卵を敬遠していただいて、私はいっこうにいたくもかゆくもない。
私が卵を評価する根拠は、そのタンパク質が飛び切り良質であって、しかも値段が安い点にある。卵が、含硫アミノ酸、つまりイオウを含むアミノ酸に富むことは、大きな魅力としなければなるまい。
イオウは硫酸に変わるから、卵は酸性の食品だといって、また敬遠する向きがある。硫酸が、粘膜の正常化に、解毒に、かけがえのない役割をもつことを忘れては、それこそ無知ということだ。
卵は生で食うべきものではない。加熱して少なくとも卵白を固まらせるがよい。その第一の理由は、単細胞動物トキソプラズマの寄生がよく見られることだ。第二の理由は、卵黄のビタミンHと結合して、それを不溶性の物質に変え、腸における吸収を不可能にするアビジンというタンパク質が卵白に存在することである。第三の理由は、卵白のオボムコイドという糖タンパクが、タンパク消化酵素トリプシンの作用を阻害することである。
〔三石巌全業績-11 健康ものしり事典(絶版) P178より抜粋〕
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