基礎から学ぶビタミンEー10.心疾患を改善するビタミンE1
三石巌:全業績7、ビタミンEのすべて、より
ビタミンE含有量の最も多い食品は小麦胚芽であって、われわれの食生活にはあまり縁がない。もしこれで200IUのビタミンEを摂取しようとすれば、毎日140gの小麦胚芽油を飲まなければならない。サラダオイルに使われる大豆油にもビタミンEはふくまれているが、これで200IUのビタミンEをとろうとすれば、1240gの油を飲まなければならなくなる。ビタミンの大量投与という行為は、食事を当てにしては絶対に不可能なのである。
老化には多くの過程があるが、大きな面の一つは酸化である。ビタミンEにはその酸化を抑制する作用がある。そこでこのビタミンが真の老化に対して働きを表すわけであるが、酸化が全身的規模でおこれば、それをおさえこむために十分な量のビタミンEが少量でたりるはずはない。これに不足がなければ老化過程の逆もどりもあることを動物実験で確認したのは、ストレス説の提唱者ハンス・セリエである。具体的に彼が見たものは腎臓や大動脈に沈着したカルシウムの減少であった。
西欧では心臓疾患が成人病の最大なものとなっている。これに対してビタミンEの大量投与が著効をあらわす。ビタミンEの発見者エバン・シュートによれば、多くの心臓疾患はビタミンEの欠乏からおこる。狭心症患者の80%は、ビタミンEの大量投与によって症状が軽くなるという。ある心筋梗塞患者の場合、1日量800IUを一ヶ月続けて恐怖の発作がとれなかった。そこで1日量を1200IUにふやし、一週間後にさらに1600IUに増量して、はじめて発作をおさえることができた。この量は小麦胚芽油換算1120g、大豆油換算10kgにあたる。
この患者は重症の場合であって、通常の狭心症には1日800IUで足りる。ただしこれより減量すれば再発の危険がある、とシュートは報告している。
ビタミンEが心臓発作に対して治療的効果を示すのは、動脈壁に発生した粥状隆起を崩壊させ、あるいは粥状隆起の剥離によって生じた血栓を融解する作用による。この面に着目すれば、ビタミンEの作用として循環系の改善をあげることができる。抗酸化作用とは別個のものとみてよい。単純な酸化抑制作用だけが目的なら、ビタミンEの1日最低量は200IUとされる。
循環系の改善といえばビタミンEの大量投与は静脈炎の治療にも有効である。閉塞性静脈炎のため両足切断を要すると外科医に診断された患者が、1日2100IUのビタミンEの服用によって全快した例がある。
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動脈硬化のない人では、400~800IUで開始しても何も問題もない。
動脈硬化が進んでいる人は、E1は100IUで開始。
一週毎に100IU増量。
目標量は、狭心症にはビタミンE1を800~2000IU。
当然、高タンパク食+Cも併用。
別のところで、不整脈にもビタミンE1+セレン+CoQ10が効果があると書いてあった。
セレンはE1からCoQ10への代謝の補酵素。
動脈硬化病変の治療、脳梗塞の予防にもビタミンE1。
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