男性の栄養障害はこんなに短期間で良くなる、しかし女性ではこうはいかない (2016.1.8)

症例:30代前半、男性
20歳頃から過呼吸、不安、動悸、振戦を伴うパニック発作が続いている
10年前からAクリニックに通院して服薬しているが薬が全く効かない
閉所、人混みではパニック発作が生じるため回避してしまう
バイトを転々として、4ヶ月前から無職、家に籠もる
食事量が少なくここ数ヶ月で10kg減少
お菓子、ジュースが多い
アモキサン(10)3T、セパゾン(2)3T  

H27.11、当院初診
高タンパク/低糖質食を指導
ジェイゾロフト(50)1T、ドグマチール(100)1T、メイラックス(1)1Tに変更
BUN7.5↓(タンパク不足)

H27.12、再診
あまり変わらない、朝動けない
MECをしっかり摂取するよう指導

H28.1
毎日卵、肉をしっかり食べている
10数年ぶり過呼吸がなくなった
どこでも行けるようになった
すっかり元気になった
仕事を始めたいと思えるようになった

解説:
男性の栄養障害はこんなに短期間で改善する
タンパク不足では薬が効かない→タンパク不足が改善すれば薬が効く→タンパク不足がさらに改善すれば薬が要らなくなる、という流れ

しかし女性ではこうはいかない
年単位の治療を要する
以前紹介した、5年間のベジタリアン生活のダメージはこんなに重い
https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/886072918175700?pnref=story
5年間のベジタリアン後、半年断糖肉食、しかし重篤な鉄タンパク不足

男性は鉄タンパクの喪失がないため、鉄不足にならないし、タンパク不足になりにくい
女性は鉄タンパクの喪失があるため、ほぼ全員深刻な鉄タンパク不足
子供でもわかる当たり前の話
しかし、欧米の栄養療法の本にはこの性差のことは全く記載がない
著者が治療現場で患者を診ていないからわかっていないのだ

女性は、夫よりも多くの肉を食べる必要があるが、現実的には不可能
だからいつまで経っても鉄タンパク不足が改善しない
低糖質パンや低糖質スイーツなどを食べている場合ではないはず