三島学:糖質制限が子供を救う
筆者から献本されたので、発売前だけど書評を書きます。
筆者は北九州市の塾の先生、糖質制限で自らの糖尿病を改善させ、生徒に糖質制限を指導することにより成績がアップした事例を本の中で紹介している。
監修が江部先生なので、内容は当然スーパー糖質制限。
内容的には特に誤りはなく、真っ当な内容。
糖質セイゲニストにはもう既知の内容なのであまり目新しさはないが、糖質制限初心者にはとても理解しやすい内容となっている。
バターをおやつに与えるなど動物性脂肪重視の所も良いですね。
必要に応じて、マグネシウム、ビタミンC等のサプリを推奨しているのも柔軟な思考で良いと思う。
糖質過多は血糖の過剰な変動、機能性低血糖を引き起こし、子供の行動や学習に悪影響をもたらす。
普通にバランスよく食べている人は全員、「質的な栄養失調」となりATP不足になる。
質的な栄養失調=糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足。
特に成長期、第二次性徴期には体重当たり成人の1.5~2倍のタンパク質などの栄養が必要となる。
この時期に糖質過剰となれば、容易に「質的な栄養失調」に陥ってしまう。
「質的な栄養失調」はすべての慢性疾患の原因となるが、特に精神機能が一番大きな影響を受ける。
つまり、ATP不足により引きこもり、情緒障害、行為障害、学習障害、その他の精神症状をもたらす。
自分は、自院の症例を通じて「質的な栄養失調」が改善すると情緒的に安定し、集中力や理解力が向上することは普通のことだと判断している。
だから成績が向上するのも当然のことだと考える。
しかし、ほとんどの精神科医はそのことを知らないため、的外れ治療になっている。
特に児童精神科医がこのことを全く知らず、安易な薬物療法を行っていることは犯罪行為だと思う。
ましてや一般人は全くそのことを知らない。
栄養状態が改善することで、子供の色々な問題行動が改善し、学習能力が向上することを一般人にも理解しやすい内容で書かれており、非常に意義がある本だと考える。