リチャード・カニン:メガ・ニュートリション(1984)

昨日読み終えた本。
著者は精神科医、当時、正常分子(オーソモレキュラー)医学会の会長はライナス・ポーリングで、筆者が副会長。

30年前の本だが、内容は素晴らしく、全く古さを感じません。もうこの時にはオーソモレキュラーの理論は完成していたことが理解できました。

科学的に正しいものは何十年経っても色あせないものだと強く感じました。
三石巌先生の言葉、”正しい理論は100年経っても腐らない”を思い出しました。

内容は、今でいう糖質制限+メガビタミン、マルチミネラル。
肥満という栄養失調(私が以前FBに投稿した、太っていても栄養失調と同じもの)、がんに対するビタミンCの効果、機能性低血糖、統合失調症に対するナイアシン療法、ケトン食、などほぼ全てを網羅しています。
特に、ケトン食に関する記述は極めて詳細で、非常に分かり易い。ケトン食に関してこれほど詳しく解説した本は今まで見たことがありません。

メガビタミンについてポーリングは、”投与量の論理的根拠を、過剰という観点からではなく、化学の原則、つまり化学反応が起こる際に分子の集中が増せば増すほどその反応は早く行われる、という原則の立場から示した”と述べている。
この言葉は、三石先生の”確率的親和力に基づくパーフェクトコーディング理論”と全く同じ。
二人の天才が、おのおの自分の頭で考えて、同じ結論に達している!、と感動しました。

健康は医者任せにせず、自己管理運動が大切だと強調されています。これも、三石先生の”健康自主管理システム”と同じ結論で素晴らしい。

全精神科医に読んでもらいたいオーソモレキュラーの教科書といえます。
三石先生の健康自主管理システム(全5巻)と併せて読むのが望ましい。

しかし、現実問題として国内の精神科医でこのことを理解できている人はほとんどいないのが現状。15000人の精神科医の中で10人いるでしょうか?
糖尿病治療のパラダイムシフト、がん治療のパラダイムシフトは今後30年あれば確実に進むでしょうが、精神疾患治療のパラダイムシフトは現状を見るともっと遅れそうで、暗澹たる気分になります。

少なくとも、現在の精神科病院で入院患者に大盛り飯、カップ麺、コーラなど与えているのは犯罪行為でしょう。糖質で火をつけておいて、向精神薬で消火するというマッチポンプですから。糖質を摂らせてインスリンを打つのと一緒ですね。でも、誰一人として気付いていない。

そもそも医者は、与えられた情報をいかに効率よくインプットするか、のみをトレーニングされた集団です。自ら考えるトレーニングは全くできておらず、むしろ自ら考える暇もないほど情報インプットに追いまくられる教育を受けてきている。そのため、生まれてこのかた、自分の頭で考えたことがない人がほとんど。頭の使い方を知らない、”頭が不自由な人”ですのでパラダイムシフトには最も適していない人種と言えます。