妊婦健診に内診は必要? | りんごの一日一歩

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妊婦健診でよく聞くのが、
「内診苦手なの」
っていう声。

中には
「あの病院は内診ほとんどしない」
「私毎回内診していやなんだけど。」
といった意見まで。
内診沢山する病院は嫌われる傾向にあるみたいかな。
私も外来で
「次回は下からも診察しますねー」
って言うと
「えー」
って反応がよく返ってきます。

じゃあ何回内診するのが一般的

私の病院では、

1妊娠初期検査(子宮頚部細胞診つまり子宮頚癌のスクリーニング、クラミジア)
2中期(20週付近)頚管長の測定(早産傾向のチェック)胎盤の付着位置の確認
3後期の腟分泌物の細菌培養検査
437週以降子宮口の状態のチェック

37週以降を除けば最低3回内診があります。
初期は経腟エコーなので毎回内診台に上がるわけですが。

1は初期検査として全員やるとして、2は病院によって時期にばらつきがあったり何回か行うようです。
頚管といって子宮の入口の部分の長さを計ることで、早産のリスクがわかります。頚管無力症という、無症状で子宮の入口が短くなり、開いてしまい流早産となってしまう怖い状態もこのスクリーニングで早期発見、場合によっては入院加療や子宮の入口を糸で縛る手術をして早産を未然に防げるのです。
また、胎盤の付着位置を確認し、低位胎盤や前置胎盤がないかチェックします。場合によっては経腟分娩ができなかったり、今後の妊娠経過で出血など起こしやすく、注意していかないといけない状態なのです。

3はGBSやカンジダなどに感染していないか、感染している場合は経腟分娩何々の場合、産道感染で児に重篤な合併症が起こる可能性があり、カンジダなら即治療、GBSなら陣痛がきたら抗生物質を投与したりします。

4は臨月になると毎回子宮の入口の状態をチェックし、赤ちゃんがどれ位下がってきてるか、子宮の入口がどれくらい開いてるか、硬さなどを見ることで出産の準備がどれ位進んでいるかみます。

また、出産の進行中も内診によって、子宮口の開きや赤ちゃんの頭の回旋に異常がないか、分娩の進行具合をチェックします。

その他、お腹が張ったり出血があれば適宜内診します。

嫌な内診ですが、医療者としては得られる情報は沢山あるのです。

中には内診を怠り、前置胎盤を見落とし、妊娠後期に突然の大量出血で母子の生命が危ぶまれたり、妊娠中に内診で子宮頚部に腫瘍がみつかり癌が発見されたなんて例もあり母子の命を救うこともあるんです。

まあ、上記のようなことは稀な例ですが、内診の回数が多い病院は嫌な病院というよりむしろ親切な病院だと思います。
内診台に上がって診察する時間をさく訳ですから、意味もなく内診するなんてことはないです。

内診は嫌だなというマイナスな気持ちや緊張から無駄な力が入り痛くなってしまうこともあるんでむしろリラックスできれば全く痛くなかったりします。
内診のコツとしては、膝を外側に十分開く、口でゆっくり息をはく、とにかくお尻を下につけて力をぬく。

もちろん子宮口の位置やその人の個人差で毎回頑張っても痛い方もいます。

でも、出産に比べれば‥と思って乗り切ってもらいたいです。

私は内診中に
「やっぱ内診やだー」
って思いっきり足を閉じられて手を挟まれた経験があります。しかもこれから診察でまだ、何もしてないのに。
ほんと痛かった焏

これから出産するのにそりゃないよ。

とほほな経験です。

内診で疑問に思ったら、内診中でも先生に聞いてみるといいかも。
話してれば自分も変に力入らないし先生とコミュニケーションになると思います。