1  国家。また、その占めている地域。国土。

「―の財政」「海の彼方の―」
 

 地方。地域。

「北の―」
 

 古代から近世までの行政区画の一。大化の改新によって定められ、明治維新まで続いた。

「駿河の―」
 

 生まれ育った土地。郷里。故郷。

「盆と正月には―へ帰る」「―は富山です」
 

 (主に、(あめ)に対して)地。大地。
「天の(かき)立つ極み、―の退()き立つ限り」〈祝詞・祈年祭〉
 

 国府。また、そこの役人。
「―に仰せ給ひて、手輿(たごし)作らせ給ひて」〈竹取〉
 

 任国。領国。知行所。
「紀伊守―に下りなどして」〈源・空蝉〉
 

 国の政治。国政。
「尾張に下りて―行ひけるに」〈宇治拾遺・三〉
 

 帝位。天皇の位。また、その政務。
「御―譲らむこと近くなり侍りぬるを」〈宇津保・国譲中〉