フジコ・ヘミングさんが好きだったショパン(1810~1849)
「ピアノの詩人」といわれたショパン。
ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2
ショパンはノクターンを約20曲遺しましたが、この第2番が特に有名なものとなり、クラシックを知らない方でも聞いたことがあると思います。
スケートの浅田真央元選手も、使用した曲です。
先月、92才で亡くなったピアニストのフジコ・ヘミングさん。
とうとうこの時がきてしまったのかと思った。
高齢のフジコさんのことが気になっていたので。
去年書いたのは、こちら
代表曲は、ラ・カンパネラだと私は思っているのですが、畏れ多くもこの曲にチャレンジしたいとは思いません。
私、楽譜どおりにただ音は並べました。
という状態で弾き散らかした曲ばかりしかないのですが
その中にノクターンもあり、フジコさんへの追悼の気持ちもあって、再見直しをしている所なのです。
これがどうも、はずかしく苦手で…。
テクニックに、感情移入の練習も、本気でやることが必要なのですけど、音に伸びがないし、柔らかみが出せない。
歌うようにピアノが弾けない。
弾きこなしていくしかないのでしょう。
ピアノの音、「出す音」というのは、ごまかしが効かなくて、その人そのものだと感じます。
辻井伸行さんのノクターンは、キラキラしていて透明感があります。
素直に、心が洗われる感じがします。
反面、フジコさん、やはりこの方の出す音は、人生における深みもある分、重々しく感じる。
それでいて、左手の伴奏は抑制的にコントロールしながら、恋心を歌われているのかなと感じます。
私は、早く弾くのが苦手なので、晩年のフジコさんのような、ゆっくり感情込めて、中学生だった頃の恋心 を思い出しながら、ショパンの音色に少しでも近づけたい。
頑張ります。
猫好きだったフジコさん。
『私の人生にとって一番大切なことは、小さな命に対する愛情や行為を最優先させること。
自分より困っている誰かを助けたり、野良一匹でも救うために、人は命を授かっているのよ。』と。
畏れながら、素晴らしい言葉だと思う。
社会に影響力のある方は、自分が世界に向かって何を話すべきかちゃんとわかっている。
自分よりも小さくて弱いものに、愛情を注ぎ、助けてあげること。
それが本来、人として一番大事なことでしょうから。
また 『あなたにとってピアノとは?』 と聞かれて、
ピアノだけではなく、そういう優しいお人柄も素敵です。
26日(日)の21時から『NHKスペシャル』で
フジコ・ヘミングさんの特集があります。
『魂のピアニスト、逝く』~フジコ・ヘミング その壮絶な人生~
録画もして、フジコさんを偲びながら視聴します。