いつまでも。
過ぎた刻に囚われている母親に
苛立ちや
歯がゆさを感じていました。
お母さん。
あれは執着ではなく。
「愛着」だったのですね。
だから簡単に
手放すことなどできなかった。
手放せるはずがなかった。
手放す必要すらなかったんだ。
弟の他界後。
充分すぎるほどの
所持金があったにも関わらず
母親が1度だけ
万引きの罪を犯しました。
警察から連絡を頂き
迎えに行ったものの
1時間経過しても
2時間経過しても
母親は現れず。
通りかかった警察官に
尋ねたところ。
「ご主人のことや
息子さんの話をされていて
まだ時間がかかりそうです」と。
結局
5時間近く
私は
その場で待たされることになりました。
やっと現れた母親は
泣きじゃくり
謝るばかり。
その手には。
キーホルダーが握りしめられていました。
同じ部屋にいた
小学生と見られる男の子から
「おばちゃんも大変だね。
頑張ってね」と
手渡されたそうです。
父親が自ら還った
あの日から。
私たち家族の叫び声は
誰かの空耳にすら
なりませんでした。
自分たちで。
自分で。
何とかするしかなかったのです。
ただそれだけのこと。
16の私が
できること。
オトナと呼ばれるイキモノに
反逆の火蓋を切る。
オトナは。
挑発され
欲情すると。
剥き出しになり
露な姿を
見せるものでもありました。
互いの誕生日に体験を
贈りあう友人へ。
いつかは「滝行」をと
目論んでおりますが
今年はフレグランス作り。
気に入った香りを数種類えらび
配合し
ボトルやキャップ。
ラベルも
「好き」を選んで
彼女は爽やかな香りを。
私は甘い
甘い香りを作りました
こちらのフレグランスは
雑貨扱いとなりますので
肌にのせるのではなく
空間に振りまいたり
所持しているものに香りを
移して楽しみます。
変な虫が寄り付かないよう
殺虫成分も含まれております
偽りの自分を好かれるより
本来の自分を嫌われた方が
ラクなんです。
それを私は
素に敵なしと呼んでいます
鴇色。虹色。珊瑚色。薄桜。
撫子色に乙女色。
中紅花に御所染。
春の女神。
佐保姫が野山を
やわらかな春色に染める季節が
巡ってきました。
そんなことがあったのに
何で笑っていられるの?
立ち直った?
乗り越えた?
この世界を生きるには
笑っていないと
生きていけないものもいるのです。
人生100年時代。
うんざりします。
勘弁してください
これが人生50年時代だったら。
人は違う生き方ができたのかも
しれません。
文明がもたらした生は
もはや
人を人ではない
イキモノに変えてしまったのですか。
母親が最期に選んだ地に立つ
河津桜が花開き始めました。
何も知らないもの達が
綺麗と見上げて足を止める。
取り留めのない話に
最後まで
お付き合い下さり
ありがとうございます
一時は
どうなるかと気を揉みましたが。
無事に16歳を迎えることが
できました
長年お世話になっているサロンから
表彰状を頂きました。
誰に似たのか。
この子も
なかなか
しぶといようであります
いのち短し恋せよ乙女。
明日の月日のないものを。
いのち短し恋せよ乙女。
今日はふたたび来ぬものを。