映画鑑賞文/「CODE 8/コード・エイト」 実は社会派のSF作品 | たろの超趣味的雑文日記〜本と映画と音楽とBABYMETALその他諸々

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2019年製作のSFサスペンス「Code 8/コード・エイト」をAmazonプライム・ビデオで鑑賞(日本の劇場では未公開)。

 

 

人類の4%が特殊能力(超能力)=発火,発電,念力などを持つという世界が舞台。特殊能力者は社会で差別され,虐げられており……という設定だが,よくある“地球を救う”系の超人バトルものではない点が良い。SFテイストのアクション作品ではなく,どちらかというとクライム・サスペンス色が強い。現代社会が抱える差別や多様性の問題をテーマに据えた,硬派な社会派ドラマという印象を受けた。

 

主人公の特殊能力・コナーが病気の母親の治療費を捻出するために犯罪組織に加担し,泥沼にはまって抜け出せなくなっていく様子が痛々しくもリアル。いわゆる「普通」とは異なった特性を持つ人が差別や偏見に苦しんだり,この社会にはまるで“いない”かのように扱われているという問題は現実に存在しているし,そのような人の中には生きるために犯罪に手を染めざるを得ない状況に追い込まれてしまう人もいる。。特殊能力というフィクション以外の何物でもない要素を題材にしながらも,この作品が説得力を伴って見る者の胸に迫るのは,この作品のテーマが現実社会と密接にリンクしているからなのだろう。

 

もちそん,この作品をそのような真面目な視点から観なければならないということではない。近未来でありながらかぎりなく現在に近い世界を絶妙なタッチで描いた映像はスタイリッシュでありながらリアルで見応えがあるし,ストーリーもクライム・サスペンスものとしてよくできていると思う。

 

この作品には続編があり,Netflixで2024年2月28日から配信開始されている。すぐに観ようと思う。